来週がホーリー・ウィーク、そして桜と雪
気がつくと週末で、来週はすでにホーリー・ウィーク。駆け足で過ぎていく時間にどう対処したらいいものか。ただただ流されているだけの春なので、いっそのことはやく夏休みにならないかと、残り2か月半をひとっ飛びしたい気分でもある。
今年も桜の季節を迎えている。娘を迎えに行った帰り道、ほろほろと散り始めた桜の木影に娘が走りより、花片を摑まえようとした。少女と桜といえば、思い出すのは三好達治だ。
甃のうへ
あはれ花びらながれ
をみなごに花びらながれ
をみなごしめやかに語らひあゆみ
うららかの跫音空にながれ
をりふしに瞳をあげて
翳りなきみ寺の春をすぎゆくなり
み寺の甍みどりにうるほひ
廂々に
風鐸のすがたしづかなれば
ひとりなる
わが身の影をあゆまする甃のうへ
(『測量船』より)
今月は詩集『雪』を注文した。こちらの表紙はまだ雪深い里の様相なのだけれど、「雪」は思い出深い印象的な詩なので迷わず選書していた。今日の桜の舞い方は、この雪のように見えなくもない。違っているのは、春の円やかな光と冬の薄鈍色の空。背景の色を、光を湛えた天色にすれば、桜の花片にも見えるのではないか。
というわけで、詩集など開いてみたき春の午後、だった。
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