The Negro Speaks of Rivers 河への想ひ

 河の流れに想いを委ねてみる。心のさまようままに、感じるままに、漂いながら。詩人ラングストン・ヒューズの詩を読み、太古の河に、ユーフラテスに、コンゴに、ナイルに、アブラハム・リンカーンが若き頃下ったミシシッピに、想いを馳せた。きらめく水面、禊ぎのしたたり、ゆっくりと広がる雄大な流れ――そこに歌われる河の姿は、確かに安堵のひとときを約束する。
 この詩を18歳のときにつづったという詩人の魂に驚愕する。それはハーレム・ルネサンスの興隆した頃、絵本手帖にも以前書いたかなと昔をたどってみる。自分の18歳とは高校卒業、大学入学の年だった。それは、薄っぺらさで赤面するだけの日々。河に揺らめく崇高な感性も、何も持っていやしない。
 迫力の構成を配した水彩が、言葉のイメージとともに力強く、重厚なメッセージを送る。河に身を任せ、魂の旅に出てみよ、と。
amazon:Langston Huges
amazon:E.B. Lewis

The Negro Speaks of Rivers

The Negro Speaks of Rivers