Todd's TV テレビっ子を育てるおかあさん、おとうさんたちへ

 "Todd's TV"は傑作だった。忙しさにかまけて子どものお守りをついTVに任せてしまうお母さん、お父さんに贈りたい一冊。
 冒頭の数ページを読むだけでも、皮肉たっぷりに展開されるお話が見えてくるというもの。ということで、該当箇所をご紹介。
 「この子はトッド、ママ、パパ。そしてこれは、トッドのテレビ」と家族の自己紹介が終わった後に……。

トッドは ママとパパが 大好き。
でも トッドは ずっと テレビといっしょなんだ。
そのほうが 便利だから。
電話が鳴るといつも テレビ見ててちょうだいって言われたし、
雨の日はいつも テレビの前に座らされた。
「大人のこと」の話し合いがあるときも
ママとパパは テレビを指さした。
これが ふつう。
だって ママとパパは、いそがしい人たちだから
子どもと過ごす時間など これっぽっちもないんだよ。

ある晩のこと、ママとパパが、どっちが先生との個人懇談会に出席するか話し合っていた。

ママ「あらまあ、会議があるわ」
パパ「なんてこった、部長に出てこいって言われてるんだ」

(どこからか……)「わたしが いきましょう」(の声が聞こえてくる。)

 コミカルなイラストが抜群の風刺力で現代にありがちな子育てを描き切る。
 学校の懇談会で読みたいとは主人の言葉。この絵本の両親はホワイトカラーの共働きなのだが、うちの小学校の対象は社会の底辺層なので、皮肉っぽさはまた違った切り口になるかと思う。
 最後のオチがまた笑えた。うちはテレビを見ない家なのでトッドのケースには該当しない。でも、コンピュータとは切っても切れない関係で……。
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Todd's TV

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