We are Going on a Book Hunt きょうはみんなで本さがし!

 先々週から小学校の仕事が始まり、けっこううきうきしている。うーむ、このうれしさは何だろう。今年は新しい先生、Ms.Hのクラスでお手伝い。30代前半ぐらいの中堅の先生で、彼女の教室で時間をともにすることがすごく楽しい。わたしのあまりよく知らないアプローチで教授するスタイルもあるだろう。ある程度経験を積んでいる先生なので、子どもをよく理解しているし、てきぱきと無駄がない。

  • 余計なことを口にせず指示が的確
  • 断固としたスタイル(assertive)が効果的=しっかりした線引きのおかげで、子どもたちはルーティン・ワークに入りやすい。
  • すっきり整理整頓=クラス環境に無駄がなく、子どもたちが学習に移行しやすい。

……などなどがこの2週間での印象だ。過去3年間に手伝った新人教師たちとは雲泥の差がある。尋ねてみると、教師生活のスタートはうちの主人と同じ小学校だったそう。つまり、底辺校で培った豊富な経験と真摯な姿勢、まじめな性格がうまく交じり合い、理想的なクラス運営に生かされている構図がくっきりと浮かび上がってきた。経験も積まないうちから学歴ばかりを磨こうとする新人たちとは違う。高校生みたいな口調で子どもの前に立つ人たちが頭でっかちになり、矛盾もいいところなのだが、高学歴ゆえにお給料ばかり多く支給される構造って、どこかおかしいと思うのだけれど……。教育はどうしたって、人間性と熟練度がものを言う。時代は変わっても、この真理は変わらない。
 リーダーズ・ワークショップの肝は、「自分のリーディング・レベルに合った選書」なのだけれど、先週読んだ絵本はまさにこの主旨を巧みに示していた。その名も、すでにクラシックとなっている"We're Going on a Bear Hunt (Classic Board Books)"をもじった"We're Going on a Book Hunt"。韻の踏み方、リズムの流れがパロディで、子どもたちは大喜びだった。

We're going on a book hunt.
We're going to find a good one.
We know how.
Not too easy.
Not too hard.
But just right.

 最後の3行が自然と口から出てくれば、もうリーダーズ・ワークショップの90%は成功じゃないだろうか。と言うのも、こう断定するには理由があるわけで……。主人は昨年、前年度の教師がレベルに合った本選びをしっかり指導していなかったために大変な目にあった。生徒はみな自分のレベルより高い、中学生たちが読むような、語彙や内容がまったく理解できない本を選びたがり、理解力・読解力指導に大きな支障を来したのである。
 そのような背景から、Ms.Hのクラスの子どもたちには、「易し過ぎず、難し過ぎない、自分にぴったりの本」をきっちり選んでもらい、内容をしっかり理解しながらたっぷり読書を楽しんで欲しいと思った。
子どもが本を選ぶ際の「5本指ルール」について - 絵本手帖
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We're Going on a Book Hunt

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