No Time for Monsters 子どもの好きそうなものがいっぱいつまった絵本

 子どもの気持ちを素直に描いた"No Time for Monsters/ No hay tiempo para monstruos"に感心した。作者が自分の子どもたちといっしょに創作したと知って納得。イラストの印象から商業主義的な雰囲気が漂うのだけれど、スペイン語併記ということでラテン系の子どもたちへのアピールを考慮すると、かえってこういうアニメーション風のスタイルが成功を収める気もする。きょろりとした目やカラフルな配色には、読者の心を瞬時につかむチャームが存在している。
 お掃除をしたくないロベルトは、お母さんから「きれいにしなさい」と促されるたびに押入れや机の下から「おばけがでてくるからいやだ」とへりくつをこねる。かしこいお母さんはおしまいに、ロベルトの言い分をうまく利用してロベルトにお手伝いをしてもうう。だって、はたらきおばけにお母さんを取られちゃったらたいへんだもの!
 自分の場合、イラストの印象によって絵本の好みが左右されるので、誰かにおすすめしてもらわなかったらまず開かなかった絵本だったと思う。おばけ、繰り返し表現、お母さんの存在、暮らしの描写、理由付けのおもしろさ……など、子どもの好きなものがたくさんつまった絵本だった。
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No Time for Monsters/ No hay tiempo para monstruos

No Time for Monsters/ No hay tiempo para monstruos