Knuffle Bunny Free トリクシー＆ナッフル・バニーさいごのお話

　娘が前作"Knuffle Bunny Too: A Case of Mistaken Identity"のブックレポートをしたのが、かれこれ３年前。以来、トリクシーちゃんと娘は一心同体のような気がして、３部作となった最新作"Knuffle Bunny Free: An Unexpected Diversion (Knuffle Bunny Series)"は、とくにドキドキしながらページをめくった。二人とも成長したなあとじんわり実感に浸りながら。
　本シリーズの特徴であるユーモアは、ここでも明るい登場人物たちによってたっぷり繰り広げられていた。お話は、お父さん、お母さんといっしょにトリクシーちゃんがオランダに住むおじいちゃん、おばあちゃんを訪ねるというもの。子ども連れの飛行機旅を経験したことのある親であれば最初から最後まで、うんうんとうなずきたいことばかりだ。そんな子育てにまつわる活写が本作の魅力なわけで、当たり前のように、ここでも共感の嵐が吹き荒れていた。というわけで、もしかしたら……の予感は的中。トリクシーちゃんは飛行機の中にナッフル・バニーを忘れてきてしまう。うちでもあったなあ、息子が親戚からいただいたばかりのおもちゃを機内に置き忘れ……。自分の小さかった頃もなくし物が多くて。だから個人的に、旅は苦手だったりするのだけれど。
　絵本はトリクシーちゃんの心を成長を描き、親心もしんみりと表される。最後は、こうなったらいいなあ……の将来図。モーさん一家に身を重ねて子どもの成長を思うとき、このシリーズに描かれたそれぞれの場面は、一生のうちで大切にしまったおきたい宝物になる。だから、１冊目の"Knuffle Bunny"から楽しませてもらった思い出は、わたしと子どもたちの大事な宝物であり、ページを閉じると胸が熱くなった。
→Knuffle Bunny Too: A Case of Mistaken Identity くたくたうさぎのおともだち - 絵本手帖
→クイル賞ノミネート絵本を読む＃１ いつもぬいぐるみといっしょの赤ちゃんのお話 - 絵本手帖
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Knuffle Bunny Free: An Unexpected Diversion (Knuffle Bunny Series)