諸聖徒日を前に、ハロウィンのことなど

 諸聖徒日を前に、祖父母のことを思い出していた。ダビデ定雄とユリアナ繁子。今、わたしがここにあるのも二人のおかげだとあらためて確かめながら、秋の深まりに気持ちを重ねた。
 小学校ではハロウィンとはうたわないものの、ハロウィン祭りの雰囲気を併せ持ったパレードがあった。Ms.Hのクラスでは金曜日の算数で折り紙をするのだが、今週はこのパレードに合わせて折り紙猫のお面作り。黒のパイプクリーナーでヒゲ、ポンポンで鼻をつけて、とても可愛い19匹の子猫たちが誕生した。見た目がちょっとルーシー・カズンズのメイシーちゃんみたい。「ミャウ、ミャウ」と鳴き声をまねする子どもたちの姿を見て、幸せな気持ちに浸っていた。
 猫を選んだ理由には、ハロウィンの黒猫という意味合いともうひとつ、フォニックスの復習があった。ワード・ソートのテーマから"at"のワード・ファミリーを選び、bat-rat-cat-mat-hatなど簡単な押韻の復習をしてから創作にとりかかるという具合に。折り紙のテーマは、いつもこのワード・ソートの語彙リストから選ぶ。合科型授業 (integurated approach) の大好きなわたしにとり、最近のワークショップ系授業の傾向は退屈の極みであったし、その点で大いに意気投合できそうなMs.Hの授業スタイルにわたしはホッとしている。だから今年は存分に楽しませてもらおう。
 この日は朝からライターズ・ワークショップの作文発表があったり、そのためのお祝い会があったりで、けっこうイベントづくめ。いつもは厳しいMs.Hだけれど、今日はたっぷり子どもたちに楽しんでもらおうと計画していたみたいだった。わたしは彼女のそういうバランス感覚が好きだなあ。気持ちのいいけじめが感じられるというか、すごく魅力的だ。
 午後は算数のテストの後、ノンフィクション絵本でたくさん名作を執筆しているギボンズの1冊"The Pumpkin Book"を読んだ。かぼちゃの育て方から秋の味覚かぼちゃの紹介、収穫感謝、ハロウィンの歴史、ジャック・オ・ランタン作り……と内容はかなり濃い。大人のわたしでもへえ〜と学べることがたくさんあり、人気の秘密が実感できた。今日という日にぴったりの絵本だった。
 絵本を読んで、かぼちゃの種を使った工作をして、お楽しみのパレードへ。ハロウィンを行事としない子どもたちへの配慮から「ハロウィン色」をなるべく抑えた、すてきな一日だったと思う。そういえば、教室に飾られていたハロウィン・秋色リースもすごくよかった。黒とオレンジの画用紙から葉っぱを切り抜いてドーナツ型の紙皿に貼りつけただけのものなのだけれど、ハロウィンと秋の組み合わせがとても上品で感心した。こういうシンプルなアートが、人の感性をあらわにする。
 今年はたぶん初めて、息子も娘もふたり揃って、手作りコスチュームでないハロウィンを迎えることになりそう。でも来年はまたハンドメイドに戻りたいな。ティーンには帽子がすごく人気のようなので、動物を模倣した帽子を作ってあげようと思った。
amazon:Gail Gibbons

The Pumpkin Book

The Pumpkin Book