We Are in a Book! モーさん絵本の人気のひみつ

 1年生の教室で'Elephant & Piggie Book'シリーズは、絶大な人気を博している。3クラスのどの教室にもモーさん絵本のバスケットがあり、自由読書のときは取り合いになってしまうほどだ。キャラクターが愉快だし、感情表現が豊か、会話がシンプルで、テンポよくストーリーが展開する。絵本以前はアニメーション制作にかかわっていた作者のコミカルなユーモアが、ここぞとばかりに炸裂している感じだ。
 ただフォニックスを指導しているわたしからみると、これはすでに完璧に英語の「音」を使いこなしている子ども向けのシリーズと言える。よってわたしの仕事は子どもたちに一日も早く学年レベルのフォニックスを修得してもらい、同シリーズを満喫してもらうことだったりする。
 その人気シリーズの最新版"We Are in a Book! (An Elephant and Piggie Book)"が、おもしろかった。ゾーさんとコブタちゃんの会話は、次のような感じ。「だれかが、わたしたちを じっとみている!」「だれだよ、ぼくたちを みているって?」…(会話)…「読んでる みんなよ!」「みんなが このほんを 読んでいるの!」――というわけで、本作では彼らが手前にズーム・アップされ(近寄ってきて)、読者とインターアクトする趣向が冴えわたるのだった。「本」をテーマにした絵本は、どれも心ひかれるけれど、これもほほえましくてよかった。2匹のやりとりには、いつものお笑いの真髄を味わわせてもらったし。
 dyslexia(失読症)を疑われていた1年生の男の子が本日、短母音を含む単語だけでなく、2個の子音群からなる単語もけっこうすらすらと読んでしまい、ちょっと感動した。こういう伸びを目の当たりにすると、わたしの仕事もやりがいがあるというもの。彼、このシリーズが大好きなので、ひとりで楽しむことができるよう、しっかりサポートしたいと思った。
I Am Invited to a Party! パーティにおよばれ - 絵本手帖

We Are in a Book! (An Elephant and Piggie Book)

We Are in a Book! (An Elephant and Piggie Book)

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