Brontorina ブロントリーナはバレリーナ
「『好き』を貫く」という表現が何年か前、はてな界隈をにぎわしていた。"Brontorina"は、それが何たるかを如実に物語っている。
バレエの大好きなブロントリーナが、バレエ学校への入学を懇願する。校長先生のマダム・セシルはハートのある人で、ブロントリーナの熱意を受け入れた。でも如何せん、巨体のブロントリーナはまわりに迷惑をかけっぱなし。涙ながらに夢をあきらめかけたとき、心ある生徒のひとりが彼女に巨大なバレエシューズをプレゼントした。これがきっかけで、マダム・セシルは「問題はブロントリーナにあるのではなく、狭いスタジオにある」と気づく。
恐竜ブロントリーナのキャラクターがほのぼのとしていて、とてもいい。喜怒哀楽の表情が豊かで、大粒の涙をこぼす場面など、どれほど大きな涙粒だろうかと水分の量を思い浮かべている。マダム・セシルや生徒たちの会話、しぐさもダンサーらしく、はつらつとしていて魅力があるなあ。人類と恐竜は共存しなかったのだけれど、こんな心あたたまるお話ならもっともっと創作して欲しい。お話が上手いと思ったら、"Bunnicula: A Rabbit-Tale of Mystery (Bunnicula and Friends)"や"Houndsley and Catina"の作者だった。さもありなん!
冒頭の「好き」について。つまるところ、世に出る人々はみな、「好き」のかたまりだ。小さな頃から自分の「好き」を知っていて、突き動かされる力により人生が進む。「好き」が継続させ、他人が見た苦労も苦労と感じない。一般的によく言われる「1万時間」を継続させて「雅」の域に入るという過程だ。このレベルの「好き」を感じとれる人は、そう多くいない。殊に音楽・芸術やスポーツ分野を見ていると、それがよくわかる。
ブロントリーナは、特別な恐竜!
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→Houndsley and Catina and the Quiet Time 犬猫たちの静かな冬 - 絵本手帖
- 作者: James Howe,Randy Cecil
- 出版社/メーカー: Candlewick
- 発売日: 2010/08/10
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