Dear Primo: A Letter to My Cousin メキシコとアメリカ、手紙で文化交流

 "Dear Primo: A Letter to My Cousin"は、同年代のいとこ同士が手紙を通して異文化交流をする絵本。少年たちの言葉が生き生きしていることもあるだろう、わたしは興味津々で彼らのやりとりに引き込まれた。
 メキシコの農村に住むカリトスとアメリカの大都市に住むチャーリー。家、食べ物、行事、学校、遊び、乗り物、スポーツ、買い物……たとえ隣国同士でも、違うことはたくさんある。米国内でさえそうであるし。作者自身、メキシコで生まれ、高校は米国で通ったと言う。よって、自己体験をふんだんに絵本に盛り込んだ。
 メキシコの古代アートに見られるような、独特なイラストが魅力的。くすんだ茶系に鮮やかな色を重ね、実写コラージュを織り交ぜた。メキシコらしさがユニークな形で表現されている。
 今朝はクリスマス・カードを書き終えようとしているところなのだけれど、あらためて手紙はよいなあとしみじみしていた。ともすれば、子どもたちの時代はデジタルなテキスト・メッセージ(あるいはフェイスブックだけ)で済まさてしまうようなご時世かもしれない。手書きでしたためる紙のよさを一年に一度でも味わってもらえるよう、親が努力せねばと痛感した。とりあえずは、形だけでも。
 この絵本を機に、小学校でも手紙でやりとりする良さがあらためて見直されたらいいなと思う。

Dear Primo: A Letter to My Cousin

Dear Primo: A Letter to My Cousin

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