Little Black Crow 少年のつぶやき

 さらりと描いた水彩が、少年の素朴なつぶやきと合い重なり、さわやかな絵本になった。「ぼく」はカラスを見つめ、心に浮かぶまま問いかける。どこに行くの? 誰に会うの? 君も怒ったりする? どうやって眠るの? こんな風に次から次へと、素直に、ことばの巡るまま発露する時代が、確かに自分にもあった。そんな想いで、郷愁に浸りながらページをめくった。
 ラシュカの最新作"Little Black Crow (Richard Jackson Books (Atheneum Hardcover))"は、例えたら芭蕉の「軽み」にも通じるような作風を秘めている。もちろん、日本文学と洋書絵本は同じ土俵で比較はできないけれど。穏やかな淋しさの中に、晴れ晴れとした明るさが宿っている。

Little Black Crow (Richard Jackson Books (Atheneum Hardcover))

Little Black Crow (Richard Jackson Books (Atheneum Hardcover))

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