Everything but the Horse 少女時代のホリー・ホビー

 "Everything but the Horse"は、ホリー・ホビーが少女時代を振りかえりエピソードを紹介する絵本。トゥートとパドルで人気を博した水彩画の冴えは、本書でもきらりと光る。
 馬に魅せられる人の多い米国にあって、その理由を考えてみた。娘の友だちでも乗馬クラブに通っている子が多いのだ。それは要するに、身近なところに馬が存在するライフスタイルの故だろう、という単純な帰結に行き着くわけだけれど、それ以上に馬のたくましさ、美しさも理由になることは歴史が証明している。
 古い牧場に引っ越してきたホリーの家族は、田舎暮らしを始める。近所の人々が乗馬を楽しむ様子を見て、彼女は一目で馬に魅せられた。世の中で一番欲しいものは、馬。馬に恋焦がれて、誕生日を待ちわびて……。最後が、かわいい。
 思い出の少女時代をこんなに美しい水彩で再現できる作者がうらやましい。どこかからトゥートとパドルが現れ出てきそうな、そんな雰囲気。

Everything but the Horse

Everything but the Horse

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