芥川賞 朝吹真理子著『きことわ』――古語復興のこころ意気
慶祝、芥川賞受賞!
新潮社のサイトにて『きことわ』の一部を読んだとき、ひらがなの使い方が古今集など和歌表現に似ている印象を受けた。受賞を伝える記事にあった「流麗な筆致」とは、このことをいうのかもしれない。年が明けて本日、YouTubeで古語復興の心意気を知り、朝吹真理子さんの学問・文化の背景から心底納得。対談に『角川古語大辞典 第1巻 あーか』(全5巻)を開くときの悦びが収められていて、そのくだりを耳にしたときはわたしの胸も高鳴った。ことばの力を携えたパワフルな新人作家の登場は、小説を読まない自分に大きな変化をもたらしそうである……。
→【ズバリ!文化批評】芥川賞の行方は?朝吹真理子氏と古語復興[桜H23/1/7] - YouTube
それと、デビュー作に対する、このブックガイドのことばにも動かされた。
→佐々木中−ブックガイド40選 - 四谷書房日録
40番目の二人について、佐々木さんは次のように書いて、このブックガイドを締めくくっています。
<この二人の作家の来し方行く末に注目し続けなくてはならない。ここで日本語は、まだ未来に向けて脱皮しようと震えている。>
通史を眺めると、その時代時代に重要な働きを担う人物がかならず現れる。朝吹真理子さんは、日本語に新古典主義(ネオ・クラシズム)をもたらす旗手なのだろう。
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