Lost Boy: The Story of the Man Who Created Peter Pan ピーター・パン誕生の背景

 「ピーター・パン」の作者ジェイムズ・M・バリーは、7人兄弟姉妹の末っ子としてスコットランドに生まれ育つ。母親の語りから影響を受け、小さな頃からお話を書き、自らストーリーテリングを楽しむ子どもだった。学生時代は演劇に親しみ、卒業後ロンドンで劇作家として名声を博す。
 "Lost Boy: the Story of the Man Who Created Peter Pan"は王道の伝記絵本らしく、幼少期から時系列にできごとが記される。よって多少の平凡さが否めないが、見開きごとに、場面にあわせた「ピーター・パン」の台詞が添えられていて、これがなかなか機知に富んでいた。
 無邪気で豊かな子どもの世界を執筆した背景には、デイヴィス一家の子どもたちと親しく交わったことがあった。劇の初演は1904年12月、ロンドン。このときの様子が紹介されていて、けっこうおもしろい。
 木版に描かれたイラストが魅力的。影と光をぬくもりのある色調と質感で表現している。

Lost Boy: the Story of the Man Who Created Peter Pan

Lost Boy: the Story of the Man Who Created Peter Pan

amazon:Jane Yolen] | [amazon:Steve Adams