Supposing...もしも、そうなったら どうする……?

 ことばとイマジネーションに遊ぶ、おもしろい絵本に出会った。"Supposing (The New York Review Children's Collection)"は、1960年初版の作品。突拍子もない仮定文にシンプルなペン画が添えられ、シュールな空想遊びにいざなってくれる。
 たとえば表紙の小猫は最後のページに登場するのだけれど、そこに添えられた文章は次のようなもの。「もしも、どうぶつに変身する本を読み、呪文をとなえてそのとおり猫になり、それから本の上にすわり、もとに戻ろうとして字が読めないことに気づいたら、どうする……?」
 裏表紙もかわいい。ここにはこの小猫の後ろ姿が描かれ、次の文章が添えられている。「もしも、この本をひらき、わたしのすべてが書かれている本だとわかったら、どうする……?」
 ほかにも、笑える「もしも」、考えさせられる「もしも」、不思議な「もしも」、辛らつな「もしも」の仮定文がたくさんつまっている。「もしも、先祖のだれかに会えるとしたら、どうする……?」なんて、ワクワクしてくる。
 子どもにも、大人にも、すてきなプレゼントになりそう。

Supposing (The New York Review Children's Collection)

Supposing (The New York Review Children's Collection)

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