Wonder Horse: The True Story of the World's Smartest Horse 文字を認識した馬のおはなし

 偶然にも昨日と同じ作者の絵本。文字や色を認識し、知能を持つ馬として人気を博したジム・キーと、その飼い主ビル・ドック・キーの実話。
 ドック・キーは1833年、テネシー生まれ。奴隷の子どもとしてプランテーションで育った。幼少時から動物に親しんだドックは、奴隷解放宣言後、人間にも動物にもよく効く湿布を売りながら、腕利きの獣医として名を馳せた。あるとき、サーカスで見つけたアラブ馬を買い取り、生まれた子馬ジム・キーの利口さに感心する。忍耐づよく調教すると、子馬はそのうち文字や色を認識しはじめた。人々はさいしょ懐疑的だったが、ハーバード大学の専門家が馬の知能を認めると、ジム・キーの名は全国に知れわたった。愛情を持って接したからこそ成しえた驚異だった。
 絵本には記されていないが、背景が南部ということで、ドックにはKKKの嫌がらせがかなりあったようだ。ドック・キーとジム・キーのショーを、わたしも見てみたかった。

Wonder Horse: The True Story of the World's Smartest Horse

Wonder Horse: The True Story of the World's Smartest Horse

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