Slowpoke のんびりいこうよという本

 まるで自分のことのように読んだ"Slowpoke"がおもしろかった。
 フィオーナはのんびりやさん。お風呂はゆっくり、朝の身支度にも時間をかける。歯みがきは1本につき32回のブラッシング。着替えは58回。父親の「バスが出ちゃうよ〜」のひとことも気にせず、髪を100回とかす。このあたりの数は誇張表現だとは思うけれど、一方でフィオーナの家族はなんでもはやてのようにこなす人々だ。バスに乗りおくれそうになったフィオーナにしびれを切らした母親は、彼女をスピード学校に入学させることにした。「まわりを見ずにすめばすむほど、行動ははやくなります」とたたき込まれながら、フィオーナはスピード学校で特訓を受ける……。
 絵本というよりは「スローライフ」のよさを啓蒙する小作品といった感がある。最後はもちろん、家族がゆっくり生きる良さに気づき、フィオーナも極端なのんびりを直してハッピーエンド。
 スピード学校には笑ってしまった。軽薄短小、効率主義への皮肉でもある。

Slowpoke

Slowpoke

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