Crow からすくん

 真っ黒で、大きくて。たのしそうにおしゃべりすることりたちの仲間に入りたいけれど、からすくんはその身なりから恐れられている。友だちになりたいな、でも、だめみたい。真っ黒だからいけないんだ。もっとちがう姿だったらよかったのに。そうだ! 体中に色をぬればいいんだ。でも、名案と思った計画にもかかわらず、ことりたちは逃げていってしまう。うわあ〜ん。悲しくて大粒の涙をこぼしたら、色がぜんぶ流れてしまい、からすくんはもとのまま。すると……。
 なんだかゾウのエルマーに似た構想と思ったけれど、最後がまったくちがっておもしろい。からすくんはいつの日か、秘密を明かすのかな……。
 ティマーズの明るくはじけたイラストが、とりたちの会話をユーモラスに描く。アクリル画材の長所をすべて表わすイラストは、いつも魅力的。娘も「たのしい絵本!」と太鼓判を押している。
 原書は、ベルギーとオランダで出版された絵本。

Crow

Crow

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