Snow Rabbit, Spring Rabbit 卯年の立春に読む絵本

 "Snow Rabbit, Spring Rabbit: A Book of Changing Seasons"は、卯年の立春に読むのが最高〜と思っていたのに、ずっと忘れていた。冬から春へのうつりかわりを独特の手法で表現した絵は、ふくろうさんのおやすみ絵本と同様に繊細でうつくしい。
A book of Sleep ぐーぐーぐー―みんなおやすみ - 絵本手帖
 わたりどりが南へ立つと、くまはながいねむりにおち、りすたちは食べものさがしにおおわらわ。白うさぎはそんなどうぶつたちのすがたを、ちょこんと眺めている。みんな冬のじゅんびにいそがしい。
 森のどうぶつだけでなく、放牧地のひつじや南国のわにまで出てくるところがなにやらファンタジーめいていやしないか。でも、かえってそれが魅力かもしれない。無国籍風で少し謎めいたイラストのパワー、ここにあり。まるみをおびたどうぶつたちの体には唐草模様や花模様がうっすらとあしらわれ、アートとしても堪能できる視覚描写である。めりはりのある構図もいい。
 たとえば、ひっそりとした裏路地の、かくれ家のような雑貨屋さんでであえるような、そのようなアート志向だろうか。個人的に子ども部屋に飾りたい欲求にかられた。
 英国版"Brrrr: A Book of Winter"とは、すこし違った体裁。わたしは米国版のほうが好き。
 イースターにもいいかもしれない。春のきわやかな色調に、はっとさせられた。

Snow Rabbit, Spring Rabbit: A Book of Changing Seasons

Snow Rabbit, Spring Rabbit: A Book of Changing Seasons

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