The Miraculous Tale of the Two Maries 二人のマリー

 二人のマリーということで、聖母マリアマグダラのマリア二人のことかと思っていた。でもこのマリーは南仏の町サント=マリー=ド=ラ=メール(Saintes-Maries-de-la-Mer)に伝わる聖女のことだった。『The Miraculous Tale of the Two Saints Maries』には、二人のマリーが聖人となったゆえんが語られる。 
 マリーとマリア。フランス語でMarieなのでマリーと読んでいたら、娘から彼女の名前であるマリアにして欲しいと言われ、絵本ではずっとMariaで通す。
 仲良し二人のマリアは十六歳のある日、海辺で波にさらわれ命を落とす。天に召されたが命が惜しく、もう一度生きるチャンスを与えて欲しいと神に頼むが願いは受け入れられない。そうする間に二人は地上の人々の危機を救い、以後、それらの奇跡は土地で広く伝え語られることになる。今でも教会には彼女たちの奇跡の行いが絵画として残っているそうだ。
 言い伝えはそれだけのことなのだが、娘は「マリア」たちが人々を救う働きをしたということで興味深く聞いていた。もしかすると、名前でつながることの不思議さを感じていたのかもしれない。マリアはわたしの教名でもあるので、わたしも娘の気持ちがよくわかる。「つながり」の発する心地よさ。ここから「ある力」を受け取り、それが知らないときに出てきたりすること。聖人マリアたちの働きは、「ただそれだけ」でも、娘の心に刻まれたと思う。(asukab)
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  • マックスシリーズの作者が、こういうノンフィクションに近いお話を書くとは、新鮮な発見だった

The Miraculous Tale of the Two Saints Maries

The Miraculous Tale of the Two Saints Maries