2007-01-01から1年間の記事一覧
クリスマスの7日目 今年最後の絵本はクリスマスに息子に贈った『A Day, a Dog』(邦訳『アンジュール―ある犬の物語』)。デッサンだけで一匹の犬のある一日を描き、人生とは、人間とは……と言った生きる上で原点となる問いに応えてくれる。まだそんなものは目…
クリスマスの6日目 『Danny's First Snow』は、初めての「雪」を体験するうさぎの坊やダニーが描かれる絵本。雪の初体験を描く絵本はよく見かけるのだけれど、この絵本を特別なお気に入り枠に入れる理由は、その描写が非常に詩的であるという一点に尽きる。…
クリスマスの5日目 どんなに険しい道でも、あなたたちの夢が実現しますように――。『Ballerina Dreams: A True Story』で被写体になった5人のバレリーナたちは、夢にまで見たチュチュを履き、ティアラを被り、ふわふわフリルを付けたレオタードを身にまとい舞…
クリスマスの4日目 ケイト・ディカミロのクリスマス絵本ということで注目しながら『Great Joy』(邦訳『ゆきのまちかどに (ポプラせかいの絵本)』)を読んだ。 時代は米国50年代か。年老いた手回しオルガン弾きと相棒のお猿さんを目にした少女フランシスは、…
クリスマスの3日目 毎年見ている『スノーマン (児童図書館・絵本の部屋)』*1のビデオ。今年はまだ見ていなかったので楽しまなくては! ピアノ伴奏のついた楽譜絵本もすごくよくて感動ものです。日本語(『やさしいピアノの絵本 スノーマン』)でも出ているよ…
クリスマスの2日目 聖書をいかにして日常に結びつけるか――。一冊の絵本が生誕物語を通して、教会聖職者たちの苦渋を優しく解いて見せた。『馬小屋のクリスマス』は、「ピッピ」の生みの親リンドグレーンだからこそ描けた現代の生誕物語。 「クリスマスのこと…
クリスマスの1日目 『小さなぎんのほし (絵本の時間)』は、ずっと読みたいと思っていた絵本。タイトルの響きにすでにかけがえのないクリスマスの思いが込められていて、雪の舞う冬空に凛と澄んだ鈴の音が聴こえてくるようだった。着物姿の女の子からも察せら…
『Artist to Artist: 23 Major Illustrators Talk to Children About Their Art』は、2002年に開館したCarle Museum |で初期に展示されたアーティスト23人の「人となり」を紹介する。 タイトル「アーティスト(=画家たち)からアーティスト(=子どもたち)…
ピューリッツァー賞受賞作家フランク・マコートが『Angela's Ashes』(邦訳『アンジェラの灰 新潮クレスト・ブックス』)で描いた哀しい母アンジェラ。初めて取り組んだ絵本『Angela and the Baby Jesus: (Adult Edition)』では、アンジェラが6歳の頃のクリ…
『The Latke Who Couldn't Stop Screaming: A Christmas Story』は、ハヌカの習慣を紹介する絵本。しかし、ただならぬ赤い表紙からも察せられるように、レモニー・スニケットが皮肉とユーモアをたっぷりと絡めてハヌカのジャガイモ料理ラトケを主人公に語っ…
『The All-I'll-Ever-Want Christmas Doll』には、クリスマスに欲しくて欲しくてたまらなかったお人形を手にした主人公の女の子が、実はお人形遊びがそれほど楽しくないことを悟り、ならばどうしたら楽しくできるかを考え実践したお話が語られる。三姉妹の会…
『Where, Oh Where, Is Santa Claus?』は、いなくなってしまったサンタさんを動物たちが探す絵本。彼らの足音や掛け声がリズム感あふれる擬音語となり、クリスマス気分を盛り立てる。小さな子どもたちにぴったり! この作者、押韻絵本を得意としていて、読む…
『Good Enough to Eat』は、貧しい娘のサクセスストーリーを描くおとぎ話絵本。町でのけ者にされていた娘が、ある日、怪物退治を任されて知恵を絞る。 作品自体、韻を踏んだ歌がおもしろいのだが、彼女の生きざまは目にするだけで現実を突きつけられる感じ。…
『Jazz Baby』は、ジャズ好きで、おうちに赤ちゃんのいる家庭にぴったりの絵本。赤ちゃんから始まって、お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、おじちゃん、おばちゃんまで、この一家はみんなジャズのリズムに乗っている。手をたたき、足でカウン…
「好きを貫く」話題で盛り上がっているはてな界隈。天才ダンサー、フレッド・アステアのプロ根性を描いた絵本『Footwork: The Story of Fred and Adele Astaire』を読み、「好き」とはつまりこういうことなのかと納得させられた。 ネブラスカ州オマハから母…
クリスマスはイエスさまのお誕生日ということで、小さな子どもたちが普段にも増して脚光を浴びる時期。生誕を祝う贈り物ということで、「贈り物」もテーマになるわけだけど、やはり、どう考えてもわたしのとっての人生で最高の贈り物は「息子と娘」である。…
教会暦では祝祭日の前に必ず、慎んで待つ期間が置かれている。復活祭の前は大斎節(レント)、降誕祭の前は降臨節(アドベント)というように。いずれも慎みの「紫」が象徴の色となり、お祝いの「赤」を静かに待つ日々を送る。 お祝いの赤。クリスマスの赤。…
ここのところ冷え込みが厳しくて、そんな理由もあったからか、道を歩きながらふと思い出したがお話が『まいごになったおにんぎょう (岩波の子どもの本)』だった。 主人公は、手のひらサイズの小さなお人形。不幸にも持ち主の女の子から粗末に扱われていて、…
『おへやのなかのおとのほん』(原書『The Indoor Noisy Book』)は、こんな風に幕開く。 こいぬのマフィンは かぜをひきました。 きょうは そとにはでられません。 いちにちじゅう おうちのなかで、 ちいさなねどこに ねかされることになりました。 静かに…
タイトル『戦争ゲーム』のように、青年たちはまるでサッカーの試合に赴くような気持ちで出征したに違いない。英国を上げての愛国運動に踊らされ、第一次世界大戦の前線に送り出されたウィル、フレディ、ビリー、レイシー。4青年の悲喜は田舎から戦地に向かう…
封筒の体裁に、ペンで書かれた『まってる。』のタイトル。人生の節々に見られる「まってる」場面を、赤い毛糸のつながりで表したフランスの絵本です。 この時季に記したかった理由は、象徴として示された毛糸の色が、クリスマスの「赤」に通じていると思えた…
ミネルバ・ルイーズ、おかえりなさい! 『Minerva Louise on Christmas Eve』の表紙を見て、思わず愛しい気持ちがよみがえってきました。おとぼけにわとりのルイーズが赤いカーテンのかかったあの家で、今度はクリスマスの体験を物語ります。彼女のことです…
突然、無性に食べたくなるもの――。ドーナッツは必ずその一つに入ります。特に最初の一口が格別で、うっすらと砂糖衣のかかった儚い甘さに胸躍らせながら、パクリと一口かじりたくなるのです。娘といっしょに『Great Doughnut Parade』を読み、ここにはそんな…
韻を踏んだリズミカルな文章と印象派のような心地よい絵画で、世界中の釣り風景を描いた絵本が『How to Catch a Fish』。これはもう、言葉も絵も、ため息ものの美しさです。 「魚釣りは、こうやってするんだよ……」と話す親子の姿で始まり、トバゴ・タートル…
アート絵本は何冊持っていてもいいほど、楽しみ甲斐があります。『Look! Body Language in Art』は、絵画中人物のボディー・ランゲージに注目したアート解説絵本です。絵の中のドラマから人々の感情を汲み取るわけですが、これが非常におもしろい。人間の機…
『Extra! Extra!』を手に取り、娘のクリスマス・プレゼント第一候補にしました。新聞記事の形態でおとぎ話に出てくる主人公たちの暮らしや事件を伝えるユニークな絵本です。ピーター・ラビットや3匹のくま、小さな赤いめんどりを始めとするおなじみのキャラ…
◆をクリックすると、レビューに飛びます。 ◆こねこのクリスマス (Forest books) ◆モグのクリスマス ◆ゆうびんやのくまさん (世界傑作絵本シリーズ―イギリスの絵本) ◆まりーちゃんのくりすます (岩波の子どもの本 (15)) ◆くんちゃんとふゆのパーティー ◆ぐり…
絵本好き冥利に尽きる絵本はそうそう出会えるものではないのだけれど、『Velma Gratch and the Way Cool Butterfly』は確かにこのカテゴリーに入る一冊だ。表紙のヴェルマちゃんとミルクウィード・バタフライ(オオカバマダラ)の組み合わせだけで、ただ者な…
キャプテン・ラプターシリーズ第2弾。ジェラシカ星が宇宙海賊団に襲われ、大量の宝石が略奪された。極悪非道を許さないキャプテン・ラプターが立ち上がる! 機関長アングルオプテーロス教授、武器スペシャリスト ブリックソーラス曹長、トップ操縦士スリート…