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Little White Rabbits イマジネーションであそぼうよの絵本

ぴょん、ぴょん、ぴょん――。元気な白うさぎが草むらをかけぬけて、「みどりになるって、どんなかな…」。森の木立ちをとおりすぎ、「せいたかのっぽになるって、どんなかな…」。岩をとびこえて、「うごかないって、どんなかな…」。 好奇心旺盛なイマジネーシ…

Snow Rabbit, Spring Rabbit 卯年の立春に読む絵本

"Snow Rabbit, Spring Rabbit: A Book of Changing Seasons"は、卯年の立春に読むのが最高〜と思っていたのに、ずっと忘れていた。冬から春へのうつりかわりを独特の手法で表現した絵は、ふくろうさんのおやすみ絵本と同様に繊細でうつくしい。 →A book of S…

Bedtime Bunnies うさぎたちの冬ものがたり

卯年にちなんで、うさぎの絵本。"Bedtime Bunnies"は、擬態語・擬音語だけでうさぎたちの心象を表現する。 うさぎの兄弟姉妹が冬を迎え、雪の夜をどう過ごすのか。外遊びから戻り、夕食、お風呂。彼らの立てる「ぴょん」だったり「ごくん」「かりっ」「ちゅ…

Roslyn Rutabaga and the Biggest Hole on Earth! 穴掘りの夢を育てる

中国にたどり着くかもしれないよ! 南極でペンギンに出会うかもしれないな!――ある朝、突然「穴掘り」に目覚めたウサギのロズリンは、胸をときめかせながら夢を描いた。お父さんもやさしく後押ししてくれるし、るんるん気分で穴掘りを始めてみると、現実は楽…

A Small Surprise 小さいことは強いこと

"A Small Surprise"は、小さな子どもたちに捧げる、小さな存在の物語。強くて大きくてマッチョな存在ばかりが幅を利かせる世の常に、小さなウサギが一石を投じるお話だ。 このウサギは旅の途中なのかな。サーカス・テントを見渡す原っぱに、サーカスの宣伝ポ…

Duck! Rabbit! イースターに遊んでみたい絵本

ひとつの絵が、あひるに見えたり、うさぎに見えたり。さあ、あなたはどうやって相手を説得するだろう。左手にいる人があひる派、右手にいる人がうさぎ派。ふたりはさかんに意見を主張し合う。両者がっぷり四つで後ろに引かないところは、人生のおりふしで目…

Pink Me Up! ピンクはトクベツな色

"Pink Me Up"を読んで、どうしてピンク色って、こうも特別な色なのか、ふたたび考えてしまった。米国の女の子文化を知る人であれば、たいていこのピンク人気を目の当たりにしているはずと言い切ってしまいたい。たとえば小さな女の子の場合なら、本人がそう…

Bunny Days ふわふわウサギたちのお話が3つ、でも……

"Bunny Days"は、表紙を目にした瞬間にイースター用と思いました。デビュー作だった文字なし絵本"Wonder Bear"(『魔法のしろくま』)の、あのクマさんも見えます。はっきりとした色合いと大判の迫力で構成した前作とは異なり、こちらはオレンジ、黄緑、青の…

Milo Armadillo うさぎなのだけれどアルマジロ

お誕生プレゼントにピンク色でふわふわのウサギをリクエストしたタルーラ。既製品では見つからなかったので、おばあちゃんが手編みで作ってくれることになりました。ところが毛糸が足りなくなってしまい、おばあちゃんは四苦八苦。なにしろ時間がありません…

Harris Finds His Feet のうさぎハリスのおおきなあし

"Augustus And His Smile"を読んだときはあまりピンとこなかったのだけれど、今度の"Harris Finds His Feet"は、作者の研ぎ澄まされた感性にビビッときた。 洗練、繊細、エレガント――光と影、濃淡を巧みに操り、大胆な構図で流れていく各ページはアートの極…

にんじんケーキ

"にんじんケーキ (児童図書館・絵本の部屋)"は、息子が小さかった頃、出会った絵本です。結婚のお祝いに向く絵本……と、ほのかな印象を抱いた記憶がありました。うさぎの若夫婦が「実際に他人と暮らし始めてみると思い通りに進まない現実」を示してくれ、西洋…

Please Don't Tease Tootsie お花にかこまれたかわいいペットちゃん

もろに娘、息子のテイストにぴったりな絵本が『Please Don't Tease Tootsie』です。ペットたちの表情、子どもたちの行為、お花に囲まれたしあわせいっぱいの見返しイラスト……どの視点からも、うちのために作られたのでは……と思えてしまいます。 絵本にストー…

Little Rabbit's New Baby ちびうさ にいちゃん

『Little Rabbit's New Baby』(邦訳『ちびうさにいちゃん!』)を読んで。親子間の会話があたたかいなあ、これほど自然な会話が描けるとは作者も心の豊かな家族の中で育ったのでしょう――。ハリー・ホースのちびうさシリーズには、ビスケットの香りがする幸せ…

うさぎの だいじな みつけもの

柔らかな春の日差しに包まれて、うさぎはふと友だちが欲しくなりました。「イースターには うさぎがいっぱい」と言うふくろうの言葉を聞き――「イースターってなんだろう、いったいどこにあるんだろう」と、ひとり、探しに出かけます。 森の描写は、春そのも…

そのウサギはエミリー・ブラウンのっ!

少し前になりますが、『That Rabbit Belongs To Emily Brown』*1の邦訳情報『そのウサギはエミリー・ブラウンのっ! (児童図書館・絵本の部屋)』を見かけたのでご紹介。うちは娘とわたしが卯年なこともあり、どうも「ウサギ」関係に弱かったりします。このと…

danny's first snow うさぎぼうやのゆきあそび

クリスマスの6日目 『Danny's First Snow』は、初めての「雪」を体験するうさぎの坊やダニーが描かれる絵本。雪の初体験を描く絵本はよく見かけるのだけれど、この絵本を特別なお気に入り枠に入れる理由は、その描写が非常に詩的であるという一点に尽きる。…

Imagine Harry みえない ともだちハリー

『Imagine Harry』は、見えない友だちの存在を通して子どもの成長を描く、わりとよくあるタイプの絵本。でも深みのあるイラストがすてきで、背景を眺めるだけでちょっと満足していたりする。それと、うさぎの坊やを見守る母さんうさぎの存在も温かい。新学期…

Tippy-Tippy-Tippy, Hide! 続はらぺこウサギ対マグリーリさん

あのはらぺこウサギたちが帰ってきました。『むしゃ!むしゃ!むしゃ!―マグリーリさんとはらぺこウサギ』(原書『Muncha! Muncha! Muncha! (Anne Schwartz Books)』)の続編が『Tippy-Tippy-Tippy, Hide!』です。 冬が到来し、はらぺこウサギたちが寒さをしの…

Knuffle Bunny Too: A Case of Mistaken Identity くたくたうさぎのおともだち

「『Knuffle Bunny』*1(邦訳『トリクシーのくたくたうさぎ (にいるぶっくす)』)のトリクシーがこんなに大きくなったよ!」と娘に『Knuffle Bunny Too: A Case of Mistaken Identity』の表紙を見せると、「ええー!」とびっくり顔。見て見て、このおかっぱ…

With You Always, Little Monday こうさぎの母さんさがし

『With You Always, Little Monday』も「月」がテーマの絵本です。透明感のある水彩とやさしい描線に魅了され、手に取りました。 いずれの文化でも「月曜日=Monday, Montag, Lundi, Lunes, Lunedi, Maandag……」は月に由来します。作者はそんな事実に興味を…

That Rabbit Belongs to Emily Brown 大好きなぬいぐるみといっしょに読む絵本

かわいらしい絵本に出会いました。『That Rabbit Belongs to Emily Brown』(邦訳『そのウサギはエミリー・ブラウンのっ! (児童図書館・絵本の部屋)』)には、うさぎのぬいぐるみと楽しく過ごす女の子と、彼女のぬいぐるみが欲しくてたまらないおひめさまの…

The Easter Egg Artists エイドリアン・アダムスのイースター絵本

今からすでに「イースター、イースター!」と浮かれている娘と『The Easter Egg Artists (Aladdin Books)』を読みました。今年のイースター・サンデーは四月八日なので、あと一か月イースター絵本を楽しむことになります。 ウサギのアボット一家*1は、アーテ…

NOT A BOX はこ・じゃ・ない

ダンボール箱のどこがそんなにおもしろいの?――大人はそんな思いで眺めてしまうけれど、当の本人にしてみればこれほど心うかれる「おもちゃ」はないらしい。箱に乗り込んだり、中に隠れたり、子どもは箱を「何か」に見立て、イマジネーションの世界にとっぷ…

The Great Valentine's Day Balloon Race こうさぎたちのバレンタイン

イースターエッグ作りに忙しいうさぎのアボット一家が、バレンタインの日に開かれる気球大会に参加する。お隣りに住むうさぎの女の子ボニーと、最初は乗り気でなかったお父さん、お母さんに手伝ってもらい気球を準備したオーソンは大はりきり。賢いボニーと…

GOODNIGHT MOON は60歳

チルドレンズシアターで『Goodnight Moon』*1(邦訳『おやすみなさいおつきさま (評論社の児童図書館・絵本の部屋)』)のミュージカル鑑賞。安らかな時間の流れるおやすみ絵本が、いったいどんなパフォーミングアートになるのか。興味津々でドレスリハーサル…

Five for a Little One うさぎちゃんのすきなこと

五感を味わう生活って、気持ちがいいな。子どもといっしょに生活をしている人なら、きっと誰もが感じることだろう。『ISBN:0689845995:title』を読み、子どもと送る自然の中の日常が、たまらなく愛しくなった。ラシュカのさらりとした水彩にかかると、見る、…

ふわふわしっぽと小さな金のくつ

イースターに読んだ絵本は『ふわふわしっぽと小さな金のくつ』(原書『The Country Bunny and the Little Gold Shoes (Sandpiper Books)』)。1939年初版とあり、米国のイースター定番絵本。イースター・バニーの存在は、この絵本から広まったのかなとも思う…

愛を探して

飛行機の中で、ディカミロの最新作『The Miraculous Journey of Edward Tulane』(邦訳『愛をみつけたうさぎ―エドワード・テュレインの奇跡の旅』)を読んだ。熱い涙がぽろぽろ。持ち主が変わるたび、さまざまな愛情のあり方を体験してゆく陶製うさぎの人形…

なでなで うさぎさん

娘の選書、なぜか英文併記の絵本ばかりで、これは意識してやっていることなのか? よくわからないけれど、リクエストの絵本は『ぱたぱたバニー Pat the Bunny (パット・ザ・バニー)』。原書は赤ちゃんの頃の愛読絵本である。最近邦訳が出て、英文併記が魅力…

うさぎ社会で絶賛の「オオカミ入門書」

うさぎのG・ラビットはウェストバックス・ウサギアナ図書館から、新刊『Wolves』(エミリー・グラララビット著)を借りた。おおかみの習性・実態を伝える本は、「ウサギ穴に一冊」(デイリー・キャロット紙)、「結末が刺激的」(ヘアラルド紙)、「オオカ…