Five for a Little One うさぎちゃんのすきなこと

 五感を味わう生活って、気持ちがいいな。子どもといっしょに生活をしている人なら、きっと誰もが感じることだろう。『ISBN:0689845995:title』を読み、子どもと送る自然の中の日常が、たまらなく愛しくなった。ラシュカのさらりとした水彩にかかると、見る、聞く、かぐ、味わう、触れる感覚が、澄んだ透明感といっしょにさらに近くに迫ってくる。

 余白を生かす淡い色合いは日本画のようでもあり、あらためて「シンプリシティー=単純性」の中に美と真実を見る。永遠の感性は、複雑な思考回路からは見えないものだ。原点で生きる居心地のよさが、アートの中で飛び跳ねていた。
 五感絵本はプレスクール・カリキュラムに含まれ小さな子ども向けなのだけれど、ページを開くべきはむしろ大人の方じゃないのかな。「世の中そんなもの」とまるで決まりごとのように日々が動き始めたら、それはきっとこの絵本を開くべき時の知らせなのだと思う。わたしにとって忘れたくない原点のつまった絵本。(asukab)
amazon:Chris Raschka

  • うさぎちゃんの日々を通して、五感のすばらしさが謳われる。水彩がとにかく美しい

Five for a Little One (Richard Jackson Books (Atheneum Hardcover))

Five for a Little One (Richard Jackson Books (Atheneum Hardcover))