2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧
数の数え方を習い、数に魅せられたウサギのクリストファー。家に帰ってからも、お外に遊びにいっても、見るものすべてを数えようとした。 『Christopher Counting』は、積極的に「数」に触れようとする子どもにぴったりの絵本。素直に「数」に触れようとする…
絵本手帖に記した原書絵本の邦訳版について、今までご紹介せずにいました。これからは「情報」として記録していこうと思います。今月振り返ってみたところ、3冊ありました。 『こわがりやのクリス だっしゅつだいさくせん』 Scaredy Squirrel こわがりこりす…
ビーバーのランドルフとグースのアイビーは、気の合うルームメイト。性格は正反対だけど仲良く都会のアパートメントで暮らしていた。ところがある日、アイビーがお泊りのビーチパーティに招待されたことからランドルフの気のいい性格が一転する。ルンルンと…
これまた海の描写が美しい絵本*1。『Necks Out for Adventure: The True Story of Edwin Wiggleskin』は、蛤が主人公という珍しい絵本です。波しぶきをあげるエメラルド・グリーンを見ているだけで、ほれぼれとしてしまいました。きれい。北斎の波うらのよう…
『Little Boy』は、娘の成長を見守る絵本『Someday』(邦訳『ちいさなあなたへ (主婦の友はじめてブックシリーズ)』)の男の子版でしょう。同じ作家、画家コンビで、幼年期の男の子の魅力をたっぷり伝えています。 必ず登場するのが、大きなダンボールの箱。…
はてなダイアラー絵本百選のみなさん、こんにちは。絵本百選は、折り返し地点を通過し後半に入りました。すてきな絵本紹介が並び、読み応えたっぷりです。2004年春から始まった絵本百選、ゆっくりでも最後の100までつなげていきたいなと思います。 そこで、…
『Ladybug Girl』は、「おまえはまだ小さいから」とお兄ちゃんから相手にしてもらえない女の子が、ひとり空想の世界に遊ぶ絵本。彼女はてんとう虫のコスチュームを着て、自然の中に溶け込みます。 画風が日本アニメ調で、自分はちょっと受け付けないタイプ。…
2年生の教室で『Swimmy (Knopf Children's Paperbacks)』(邦訳『スイミー―ちいさなかしこいさかなのはなし』)を取り上げた。今月は、"inferring"と"big idea=theme"が学習課題。 読み終わった後、サブの先生が質問した。「このお話で、みんなが学んだこと…
『How To Paint the Portrait of a Bird』は、冬に読んでいて、ずっと記さずにいた絵本。書かずにずっとそのままにしていた理由は、たぶん小鳥のさえずりが届かない季節だったから。今はさえずりに目を覚ましてもらうほどで、表紙の青い鳥がすぐに目に浮かん…
今月は詩の月間ということで、みんな詩の絵本を読んでいます。娘の学校では先月のブックレポートが詩でした。最近の詩の絵本で人気があるのが『Dirt on My Shirt』。子どもの日常を生き生きと詠っています。 それにしても、詩は子どもたちに大人気。気持ちの…
一目ぼれにふさわしい出会いだった。白と水色がさわやかな横長の表紙。『Wave』(…感激して紹介しようと思ったら、まだアマゾン・ジャパンには出ていない様子。…入ったようなので、加えました…4/24)――もうこの時点で、この夏の運命の出会い。 木炭素描とア…
大統領としてヒーローになる以前、ジョージ・ワシントンは農夫として、1台で3人分の仕事をこなす耕作機を発明したり、疲れた土地をよみがえらせるために肥料の研究をしたり、バージニア州マウント・バーノンでさまざまな功績を残していた。これは『Farmer Ge…
似たもの同士が、「どう」似ているのか。ちょっとおふざけな答えで遊んでみるのが質問絵本『Apples & Oranges: Going Bananas With Pairs』。 最初の質問は、「りんごとオレンジって、どう似ているの?」で、答えが「めがねをかけないところ」。次、「自転車…
本日は、今年最後のフリーブック・イベント。朝9時過ぎに図書館を開き、準備。毎度のことだけど、人気本は妖精シリーズ、動物ノンフィクション系。反対に誰も手を伸ばさない傾向にある本は、歴史ものだった。今月は学校全体で「詩」の単元に入っているので、…
5番街のアパートメントに巣を作り、すっかりニューヨークの人気者になった鷹ペール・メール。絵本でもすでに何冊か取り上げられていますが、この『Pale Male: Citizen Hawk of New York City』は作者が水彩画家メイロー・ソウを指名したという一冊で、透明感…
『Bye-bye, Crib』は、ゆりかごから子どもベッドに移行する間の赤ちゃんの気持ちを代弁する絵本。この豆弁士、話しっぷりは子どもでも発想がかなり大人っぽいので、非常にお茶目に映るなあ。言葉を拾いながら感じたことは、これはきっと両親の目から見た赤ち…
『Down the Colorado: The Story of John Wesley Powell, the One-Armed Explorer』――牧師である父が奴隷制度廃止論者であったために迫害を受け、学校へは通わず自然主義者の知人から教育を受けたジョン・ウェス・パウウェル。家族は地下組織アンダーグラウ…
作者は絶対に男の子のお母さん。会話から、行動から…夏の男の子の日々が手に取るように浮かんできた絵本が『A Couple of Boys Have the Best Week Ever』である。 アイマンは親友ジェームスといっしょに、海辺に住むジェームスのおじいちゃん、おばあちゃん…
『The Ugly Duckling』を見てまず、ジョンソン&ファンチャー夫妻のミックス・メディアによるコラージュに目を見張りました。 表紙にはレース模様のあしらわれたあひるちゃんが、これまたレース模様の卵の殻からお目見えする場面が描かれています。自然の背…
『What to Do About Alice? : How Alice Roosevelt Broke the Rules, Charmed the World, and Drove Her Father Teddy Crazy!』は、テディベアのエピソードで知られる第26代大統領セオドア・ルーズベルト大統領の長女アリス・ルーズベルトの生涯を描く絵本で…
「よい本を子どもたちに届けたい」――この一心で児童書の執筆、海外作品の紹介に尽力された石井桃子さんは、つねに自分の心に火を灯してくださる存在です。もちろん作品を通してのみの出会いだけですが、その情熱を生涯貫いてこられた気高さに自分は今もただ…
北米大陸の春をにぎわすオオカバマダラ(英名Monarch butterfly、別名を帝王蝶)は、冬季を南国メキシコで過ごし、春から夏にかけては北方に移動することで知られています。シアトルの4月はまだ肌寒いのですが、それでも春風がわたり、鳥のさえずりがうれし…
孤独を好むおおくまさんのところに、ちっちゃいねずみがこんにちは。ねずみは表の戸からやって来ただけでなく、戸棚のおわんの中だったり、引き出しの中だったり、冷蔵庫の中だったり、所を変えてひょっこり顔をのぞかせます。そのたびにおおくまさんは「や…
『The Searcher and Old Tree』は、あらいぐまと大きな木のお話です。 大きな木は、あらいぐま(サガシモノくん)のお家。何があろうとも、どんなことが起ころうとも、木はあらいぐまを守ってくれました。たとえ大嵐がやって来ても、周りで起きていることな…
「くるくるウィジェット」をセットしてみました。三角の矢印を上に下にと押すと、おすすめ絵本がくるくる回りながらお目見えです。観覧車のようで楽しい。わたしが乗っているわけではないのですが、一人でくるくる押してしまいます。 今はとりあえず「2008年…
エミリーはダンスが大好き。ワクワクしながらダンス教室に通い始めたけれど、教室の女の子たちはみなダンスはあまり好きではなさそうです。それに、発表会ではお姫さまになりたかったのに、テーマは虫のダンスですって。夢に思い描いていたダンス教室とは違…
不思議な卵を手に入れた、ある男の物語。その夜、冷蔵庫にしまった卵がバリバリと音をたて……。中から現れたのは巨大なワニ。一目散に逃げ出して、男は別のアパートに住むことにするけれど……。 『The Crocodile Blues』は、鮮やかな群青と黄がモノトーンを背…
朝鮮の伝統詩、時調。元は漢詩から派生し、13世紀頃、高麗で盛んに詠われ確立されました。英語では「sijo しじょ」と読み、俳句のように音節を数えて詩(うた)にします。 伝統的に14-16節の3行で成り、全体では44-46音節で詠む、ちょうど俳句を3句並べたよ…
お母さんの絵本を挙げてみました。絵本とお母さんは、子どもに一番近い存在かな。小見出しをクリックすると、レビューに飛びます。母の日に読む絵本「おかあさん どーこ」 - 絵本手帖 わたしの知る翻訳絵本の中で、唯一「母の日」がテーマになっている絵本。…
3月10日に101歳のお祝いを迎え、その春に逝去された石井桃子さん。桜の美しい季節に安らかに逝かれ、子どもの本に大きな業績を残された石井さんに相応しい春ではなかったかと偲びました。 『クマのプーさん プー横丁にたった家』は、作者ミルンが息子…