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Crow からすくん

真っ黒で、大きくて。たのしそうにおしゃべりすることりたちの仲間に入りたいけれど、からすくんはその身なりから恐れられている。友だちになりたいな、でも、だめみたい。真っ黒だからいけないんだ。もっとちがう姿だったらよかったのに。そうだ! 体中に色…

Interrupting Chicken 父と娘のかけあい漫才

コルデコット賞オナーに輝いた"Interrupting Chicken"が、むちゃくちゃおもしろかった。印象としては、父と娘のかけあい漫才。会話のテンポ、ニワトリのキャラクター性、とっぴな作中話、二部構成のオチのユーモアに加えて、毎晩本を読んでもらう習慣から伝…

Little Black Crow 少年のつぶやき

さらりと描いた水彩が、少年の素朴なつぶやきと合い重なり、さわやかな絵本になった。「ぼく」はカラスを見つめ、心に浮かぶまま問いかける。どこに行くの? 誰に会うの? 君も怒ったりする? どうやって眠るの? こんな風に次から次へと、素直に、ことばの…

かあさんあひるのたび

公立校の新学期が始まり1週間。初日の朝のことを記しておこうと思いながら、すでに1週間がたってしまった。 先週の水曜日は雨。息子は部活の試合でゴルフバッグを持って行かなければならなかったので、わたしが車で送ることになった。戸締りするわたしを、…

A book of Sleep ぐーぐーぐー―みんなおやすみ

読んだのは邦訳『ぐーぐーぐー―みんなおやすみ』ではなくて、原書(米版)"A Book of Sleep"のほう。みんな眠っているのに、ふくろうはおめめがパチリ。当たり前なのだけど。 ふくろうの見守る中、安らかに眠る動物たちを見ていると、いつの間にかこちらもう…

In My Nest 赤ちゃんの最初のクリスマスに

"In My Nest"は、ご近所に住む若いカップルの赤ちゃんへのクリスマス・ギフトとして購入しました。あたたかい陽だまり色に引かれページを開くと、そこには心地よい巣で愛に育まれながら幼い日を過ごすひな鳥の様子が描かれます。真ん中に見える布製の青い小…

Tacky Goes to Camp ペンギンのタッキー・シリーズ

娘が「おもしろいから、読んで、読んで!」と何度もすすめてくれた"Tacky Goes to Camp (Tacky the Penguin)"。笑いがこぼれる理由は、おりこうさんなペンギン集団の中で1匹だけはずれてしまうタッキーの個性にあるようでした。折り目正しくきっちり行動する…

Hook 大空に弧を描くイーグル

「あっ、イーグル!」――。悠然と弧を描いて舞うイーグルの存在を教えてくれたのは、子どもたちだった。はじめは何のことなのかよくわからず、とりあえず指のさされた方向を見上げただけ。透明な空の一点に焦点を合わせようと、あたふたしていた。堂々と空を…

もしゃもしゃあたまのおんなのこ

この夏の思い出は、秘密の花園で草むしりの手伝いをしたことである。 近所に住むベルギー人のおじいさんは、小川の流れる敷地に住んでいる。並んだ二軒の豪勢な邸宅で、美しいビーグル犬と太っちょとおちびの猫二匹と日々を共にし、まるで洋画の中に居を構え…

Little Chick 小さなひよこのお話

"Little Chick"のような、純粋無垢で可愛らしい絵本には随分ご無沙汰している。淡い水彩画が、なんだかくすぐったい。中表紙は、薄い抹茶色のギンガムチェック。この模様の存在自体ふんわりと、遠い昔の温もりを放っている。 絵本には、お話が3話、語られて…

Honk, Honk, Goose! カナダ・グースの親子

そういえば、グースの雛って見たことないなあと思いながらページをめくる。"Honk, Honk, Goose!: Canada Geese Start a Family"は、グース(雁)の雌雄が雛をかえすまでの様子を、擬音語をたっぷり織り交ぜて紹介するノンフィクション絵本である。イラストが…

Duck Tents テント暮らしは乙なもの

「夏休みはどんな楽しいことをしているの?」と尋ねられ、答えに窮していた娘に助け舟を出した。「お庭にテント張って、楽しんでいるよね」――。先月下旬から熱波に襲われ、記録的な猛暑を記録した当地。夜は家の中より外のほうがずっと涼しいので、テントの…

Peep!: A Little Book about Taking a Leap 卒業生に贈るひよこの絵本

"Peep!: A Little Book About Taking a Leap"は、社会人として世の中に羽ばたこうとしている若者に贈りたい絵本です。段差のある歩道から飛び降りることができず、慌てふためき躊躇する小さなひよこが主人公。めんどり母さん、お姉ちゃんたちに励まされ、い…

Chicken Little カラフル・チキン・リトル

父と娘による合作『Chicken Little』。鳥たちのキョロキョロ目玉が、オトボケムードをたっぷり提供してくれる。目玉の存在だけで、空からドングリが落ちてきただけなのに「空が落っこちる!」と慌てふためく鳥たちのキャラクターを演じてもいるだろう。大胆…

Birds ケビン・ヘンキースの新しい絵本

最新作は『Birds』。画風が違うと思ったら、奥さんが絵を担当していた。太い黒の輪郭線を生かしながら厚く塗りこむスタイルは、けっこう好みかもしれない。 絵本は、たくさんの鳥の姿を紹介する。黄色い鳥、青い鳥、茶色の鳥、赤い鳥、緑の鳥。大きさも背高…

How to Heal a Broken Wing ある家族のポートレート

ボブ・グラハムの絵本*1,*2には暮らしの風景が何気なく描かれており、そこから見て取れる人の生き方がしんみりと豊かな味わいを与えてくれます。『How to Heal a Broken Wing』(邦訳『きずついたつばさをなおすには (児童図書館・絵本の部屋)』)も、やはり…

コッコじかんが はじまるよ

犬猫ワールドにかしましいニワトリコンビが加わって、裏庭模様にいちだんと彩が増しはじめたのが一昨年の秋。何気ないしぐさや動作、反応から彼らの個性をうかがうことが家族みんなの楽しみになり、家庭内コミュニケーションの多くがスクーターやギャビ、デ…

Little Hoot ふくろうぼうやのおやすみストーリー

『Little Hoot』は、『Little Pea』*1のフクロウ版でしょうか。おやすみ前の一幕に登場するこちらのファミリーも、ほのぼのしていて可愛らしかったです。 今回は、フクロウの夜行性を前提にした着眼点がウィットに富んでいます。子どもの本能とは正反対の、…

Louise, The Adventures of a Chicken ディカミロさんの絵本

先週の土曜日、ケイト・ディカミロさんによるお話会が中央図書館で開かれました。行こうと予定していたのですが、娘がサッカーの試合から帰ってきたばかりでちょっと疲れ気味。あまり乗り気でなかったので、すばらしい機会に恵まれていたにもかかわらず足を…

The Odd Egg かわった たまご 

「たまご」は、魅力的*1。その自然形と発見にいつも魅せられていたわけだけれど、『The Odd Egg』では、たくさんの鳥たちといっしょにコロコロ転がり出しそうな嬉しい気持ちを共有させてもらった。小さなたまごから、大きなたまごまで。主人公はまさに、たま…

South 南をめざした 1ぴき 1わ

聖フランシス日にふさわしい1冊は、『South』。ネコくん*1とことりちゃんの交流がハートにしみる、秋にぴったりの文字なし絵本です。 秋も深まった頃、はだか木の下に、仲間とはぐれてしまったことりちゃんが1羽。誰もいないのでエーン、エーン。泣きはじめ…

くまとやまねこ

丁寧に真心を込めて紡いだ絵本は、それだけで心に染み入ってきます。時間こそが唯一、死の傷心を癒し、心の新生に向かわせてくれる存在なのだ、と『くまとやまねこ』を読み、あらためて思い返しました。死に直面し、乗り越えていくくまの心情が丹念に描かれ…

Ducks Don't Wear Socks まじめな女の子と気さくなダック

エミリーはまじめな女の子。アヒルのダックが靴下を履いたり、ネクタイをつけたり、帽子をかぶり、アヒルらしからぬことをしているのを見て、「アヒルはそんなことしないのよ」と教えてあげる。でもダックはそんなことお構いなし、自分が好きでやっているの…

United Tweets of America 全米の州鳥をご紹介

『United Tweets of America: 50 State Birds Their Stories, Their Glories』は、ご当地名物といっしょに全米の州鳥を紹介する絵本。こうやって眺めてみると、同じ鳥が州鳥になっているケースが多くてちょっと驚く。たとえばここワシントン州の鳥「アメリカ…

Learning to Fly ところでペンギンって、飛べたのでしたっけ

『リスとお月さま』*1以上の作品と聞いていたので、わくわくしながら手のひらサイズの小さな絵本『Learning to Fly』を開きました。 これは空を飛びたがっているペンギンと、彼を助ける一人の男――作者――による二人三脚の奮闘物語です。ペンギンから空への憧…

Tweedle Dee Dee 小鳥の歌声 ららららら

『Tweedle Dee Dee』は、巻末にピアノの楽譜が付いた歌絵本です。 ある日、葉の生い茂る夏の木立ちで見つけたのは鳥の巣です。中には青い卵が3つ。ロビンの卵でしょう。卵が返ればもちろん、元気な歌声が。さらりと描いた淡い水彩の、夏の面影がほんとうにさ…

Sally and the Purple Socks サリーとむらさきのくつした

娘と本屋さんへ。例によって友だちの誕生プレゼント探しです。『Sally and the Purple Socks』を読んで娘と大受けしました。ちょっと評判の絵本でしたが、あまり期待せずページを開いて、わっはっはーと大笑い。娘がこれをプレゼントにしたいと言い出して、…

こすずめのぼうけん

久しぶりに11時の聖餐式に出席。お日さまがのどかに街を見下ろす気持ちのいい日曜日で、帰ってきてから前庭で絵本『大型絵本 こすずめのぼうけん (こどものとも劇場)』を読んだ。毛布の上に傘を置き、娘がそこに寝そべって。 お母さんから飛ぶ手ほどきを受け…

How to Paint the Portrait of a Bird 小鳥の季節に

『How To Paint the Portrait of a Bird』は、冬に読んでいて、ずっと記さずにいた絵本。書かずにずっとそのままにしていた理由は、たぶん小鳥のさえずりが届かない季節だったから。今はさえずりに目を覚ましてもらうほどで、表紙の青い鳥がすぐに目に浮かん…

Pale Male: Citizen Hawk of New York City

5番街のアパートメントに巣を作り、すっかりニューヨークの人気者になった鷹ペール・メール。絵本でもすでに何冊か取り上げられていますが、この『Pale Male: Citizen Hawk of New York City』は作者が水彩画家メイロー・ソウを指名したという一冊で、透明感…