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The Ugly Duckling コラージュが美しい「みにくいあひるのこ」 

『The Ugly Duckling』を見てまず、ジョンソン&ファンチャー夫妻のミックス・メディアによるコラージュに目を見張りました。 表紙にはレース模様のあしらわれたあひるちゃんが、これまたレース模様の卵の殻からお目見えする場面が描かれています。自然の背…

Goose and Duck ともだちはグースとあひる

リーディングレベル2『Goose and Duck (I Can Read Level 2)』を読んだ。現実的で、ときにファンタジー的で、子どもの興味をそらさず最後まで語る手法が巧みだと思った。日常でありながら同時に夢も与えてくれる、普通だけど子どもを引き込むお話。 卵からか…

Vulture View ハゲタカの生き方

『Vulture View』は、死肉を常食するハゲタカの生き方を分かりやすく説明するノンフィクション絵本です。大空に舞うハゲタカに、何を探しているのかと尋ね、お目当ては腐食し始めた鹿の肉と突き止めます。小さな読者向けに、自然界の常識を分かりやすく、詩…

Minerva Louise on Christmas Eve ミネルバ・ルイーズのクリスマス絵本

ミネルバ・ルイーズ、おかえりなさい! 『Minerva Louise on Christmas Eve』の表紙を見て、思わず愛しい気持ちがよみがえってきました。おとぼけにわとりのルイーズが赤いカーテンのかかったあの家で、今度はクリスマスの体験を物語ります。彼女のことです…

The Perfect Nest 完璧すぎるのも災難!

猫のジャックは、カンペキな「巣」を作ろうと奮闘していました。柔らかいわらを敷き居心地のいい巣を作れば、そこにニワトリが美味しい卵を産んでくれると思ったのです。産みたての卵で作るオムレツのことを考えるとジャックの胸は弾みました。さて、こうし…

White Owl, Barn Owl ふくろうの生態を知る絵本

メンフクロウの生態をわかりやすく語る絵本が『White Owl, Barn Owl』です。自然や科学を扱うノンフィクションの題材も、こんな風にストーリー性を持たせると内容がぐーんとこちらに近くなるものなのだ――と、その距離感に至極感動した絵本でした。 霜の降り…

The Twin Princes ふたご王子

『The Twin Princes』は、にわとり王家の王位継承をめぐり2羽の王子が後継ぎ争いをするユーモラスな絵本。冒頭から「なぞなぞ」で始まり、途中、読者もいっしょに謎解きを通してどちらが王さまになるのか、あてっこをする趣向が楽しい。テッド・アーノルドの…

Today at the Blue-Bird Cafe: A Branchful of Birds 本日のブルーバードカフェは……

『Today at the Bluebird Cafe』は、夏に読むのが最高の、鳥たちを主人公にした詩の絵本。タイトルを聴いただけで、すでににぎやかなさえずりが流れてきそう。本当に今の季節にお似合いだ。 登場するのは、「ブルーバード、アビ、カージナル、ワシ、キツツキ…

Penguin おしゃべりしないよペンギンくん

再び英国の絵本。『Dog Blue』(邦訳『あお』)*1や『Down the Back of the Chair』(邦訳『みーんないすのすきまから』)*2など前作でファンになったので、『Penguin』(邦訳『ペンギンさん』)にも注目。 ベンがもらったペンギンくん。「こんにちは」と話…

Cock-a-doodle-hooooooo! コッケホーホー!

『Cock-a-doodle-hooooooo!』は、農場のニワトリ小屋に迷い込んでしまったフクロウのお話。ニワトリたちは「コケコッコー」と鳴くオンドリを必要としていたので、フクロウにオンドリの役を担ってもらおうと訓練を始める。でも所詮フクロウはフクロウ。オンド…

The Chicken-Chasing Queen of Lamar County 「やめられない、とまらない」の気持ち

『The Chicken-chasing Queen of Lamar County』には、おばあちゃんから「だめ!」って言われているのに、そう〜っと忍び寄り、にわとりを捕まえたくてたまらない女の子が描かれる。まるで、うちの子どもたちのようだ。「かまっちゃ、だめ!」と言っているの…

ひとあし ひとあし

毎朝目が覚めると、きつつきの木を突く音が聞こえる。ここ最近、「また、お仕事しているね」が娘のお決まりのひとこと。とくに朝と夕方、このきつつきは森に響くいい音を聞かせてくれる。数にしてみると、一秒間に「こつ」の音が9回ぐらいかな。「こつこつ…

The Tale of Pale Male ニューヨークの鷹ペール・メールのお話

『The Tale of Pale Male: A True Story』は、高層ビルの立ち並ぶニューヨーク・マンハッタンに居を構えた鷹、ペール・メールの実話絵本だ。都会の空に弧を描く勇壮な姿が話題になり、1993年以来、バードウォッチャーたちの熱い視線を浴びていた。絵本ではメ…

Duck, Duck, Goose 子どもたちの会話が聞こえてきそうな絵本

娘と読む前に思わず一人で読んでしまった。前作『Duck & Goose』*1と同様、『Duck, Duck, Goose (Duck & Goose)』も子どもの会話が聞こえてきそうな絵本だった。でも、今度は3羽。ダックとグースコンビにあざみちゃんというあひるが加わった。このあざみち…

ボルカ はねなしガチョウのぼうけん

「また来てる! ママ、ダックさんたちがまた来てるよ!」――。朝、ブラインドを上げ、娘が叫びました。そういえば、野生のアヒル夫婦のことは、日曜日あたりから興奮して話していたっけ……と記憶を呼び戻しながら窓辺を見やると、えっちらおっちらかわいらしい…

The Little Red Hen ちいさなあかいめんどり

ロングウィークエンドの楽しみは、NFLプレイオフ。昨日、今日と接戦が多く、見ごたえがあった。シアトルは怪我人続出の中、よくオーバータイムに持っていったと思う。惜敗ながら善戦を称えたい。スーパーボウルは、コルツとセインツで。 というわけでゲーム…

ラン パン パン

今日から明日にかけ再び暴風雨、雪という予報が出ていたので心配になる。午後になると突風が吹き荒れ、停電を予期せずにはいられなかった。これだけ風が強いと鳥たちは木に止まっていられないようで、校庭にわんさかとカラスが舞い降りてきた。休み時間に子…

Silly Suzy Goose とくべつなグースになりたかったスージーのおはなし

仲間のグースに囲まれて、ふとまわりを見回したスージー。自分はほかのみんなと違うのがいいなあー、と思う。コウモリになったら、こんなことできるし、オオハシになったら、こんなこと……。いろんな動物になりきって、最後には百獣の王ライオンに。ところが…

Cheep! Cheep! ぴいぴいぴい! フォニックスに利用した絵本

長母音の説明ができるかなと期待して『Cheep! Cheep!』を読んでみた。出てくる言葉は、「sleep, cheep, peep, creep, eep, leap, heap」の7つ。「ee」と「ea」はつづりが違っても発音が同じことを伝えたかった。例外の多い英語だけど、ルールのひとつとして…

Chickens to the Rescue それいけ にわとり お助け参上

どたばた喜劇風の「間」を描いた絵本が『Chickens to the Rescue (Barnyard Rescue)』。グリーンスターク農場一家に起こる困った状況に、にわとり小屋のにわとりたちがお助け参上する「間」がおもしろい。羽根をまき散らし、コッコッコッコと飛び回る姿・表…

HERON & TURTLE さぎこさんとかめきちくん(へロンさんとタトルくん)

こんな仮題をつけてしまうと何だかイメージが狂ってしまうかな。画家の新しい絵本ということで『Heron and Turtle』を読んでみたのだが、読後にじわじわと作品の味わいに包まれた。ちょっと、がまくんとかえるくんの世界に通じるものがある。絵本には珍しい…

しあわせな ふくろう

しあわせそうなふくろうの夫婦を見て、食べて飲んでけんかばかりしている農場の鳥たちは不思議に思った。どうしてけんかもせず、いつもしあわせなのか。さっそく理由を聞きにいくと、夫婦は自然の恵みに感謝する四季の過ごし方を教えてくれた。 こんな風にし…

the true story of Stellina ことりのステリーナ ほんとうにあったお話

「真実は、強い」と祖母はいつも言っていた。創造の中でその強さが発揮できたら、それにまさるものはない、と。『The True Story of Stellina』を読んで、祖母の言葉を思い出した。ニューヨークの街角で拾われた一羽のひなが作者夫婦(当時はまだ結婚してい…

Henny Penny めんどりペニー ペニーが語ったお話

色づいた樫の木にどんぐりがいっぱい――。秋の色彩に惹かれて読んだ『Henny Penny』は、お話よりもどちらかといえば絵の楽しさに魅せられた。 どんぐりが頭に落ちただけなのに、「空が落ちてくる!」と勘違いしためんどりのペニー。これは、天災地変! 王さま…

"I'm not cute!" ぼく、かわいくなんかないよ!

こうといえば、ああと出て、ああといえば、こうと出る。コミカルなコンピュータ・グラフィックスのイラストに引かれて手にした絵本『"I'm Not Cute!": I'm Not Cute!』(邦訳『かわいくなんかないっ! (児童図書館・絵本の部屋)』)には、ふくろう赤ちゃんの…

No More diaper for Ducky! あひるちゃん、おむつは もういらないよ!

どんと積まれた絵本の山から息子が選び出し、読んでいたのが『No More Diapers for Ducky!』(邦訳『おむつのガーガとおまるのブータ (児童図書館・絵本の部屋)』)。何ゆえに、赤ちゃん絵本? ちょっと笑ってしまったのだが、あひるちゃんとぶたくんのいた…

Duck & Goose

なんだか最近、たまごづいている。『Duck & Goose』は、赤、オレンジ、黄色の水玉のついた「まるいもの」を見つけたダックとグースのお話。2羽はこのすてきな丸いものを「たまご」だと思い込み、自分が先に見つけたから自分のもの、と主張する。そのやりと…

A Splendid Friend, Indeed 2006年オナー

『A Splendid Friend, Indeed (Goose and Bear Stories)』は、この部門唯一の絵本。性格の違うあひると白くまのやりとりが、いい味を出している。 本を読みたいしろくまくん、でもあひるくんはおしゃべりしたくて仕方がない。お話を書きたいしろくまくん、で…

小学生受けする Don't Let the Pigeon Stay Up Late!

『Don't Let the Pigeon Stay Up Late!』は、絶対に小学生受けする絵本だと思う。ハトの振る舞いがまるで自分のようで、笑いが絶えないんじゃないか。 登場するのは、あのバスの運転手とハト*1。冒頭運転手のおじさんは、読者にお願いごとをする。自分が歯を…

egg drop 空を飛んでみたかったたまごのお話

たまごは空に憧れていた。ふと見上げると目に入る鳥、風船、飛行機、羽虫、ヘリコプターやこうもり、雲……。うらやましくてしかたがない。ひよこたちに囲まれて、めんどり母さんが打ち明ける。「たまごは まだ子どもでね。よく わかっていなかったのよ。おし…