bedtime

Switching on the Moon: A Very First Book of Bedtime Poems おやすみのポエム

"Switching on the Moon: A Very First Book of Bedtime Poems"は、けっこう分厚くて大きな詩集。おやすみ前のベッドで開くために編まれた。マザー・グースの童謡があったり、有名作家の詩があったりで楽しい。ファージョンの詩はこれ。 The Night Will Neve…

Bedtime Bunnies うさぎたちの冬ものがたり

卯年にちなんで、うさぎの絵本。"Bedtime Bunnies"は、擬態語・擬音語だけでうさぎたちの心象を表現する。 うさぎの兄弟姉妹が冬を迎え、雪の夜をどう過ごすのか。外遊びから戻り、夕食、お風呂。彼らの立てる「ぴょん」だったり「ごくん」「かりっ」「ちゅ…

Old Bear and His Cub おじいちゃんぐまとこぐま

人生を長く歩んできた姿と、これから長く歩もうとする姿。"Old Bear and His Cub (Little Cub)"には、そんな2匹のくまの愛情がたっぷりと描かれる。 おじいちゃんぐまは、こぐまを心から愛している。だから、こぐまは最初は抗ってみても、おじいちゃんの真…

A Bedtime for Bear きむずかしいクマとおきらくネズミ

"A Visitor for Bear (Bear and Mouse)"(邦訳『おきゃく、おことわり?』)のおおくまさんとこねずみのコンビが戻ってきました。今度は、ベッドタイム・ストーリー"A Bedtime for Bear (Bear and Mouse)"。「おやすみなさい、おおくまさん」……みたいな雰囲…

A Sick Day for Amos McGee エイモスさんがかぜをひくと

読み終わった後、21世紀に"A Sick Day for Amos McGee"(邦訳『エイモスさんがかぜをひくと』)のような絵本の創作が可能なのだと、ただただ感心していました。抑えた色合いと配色、やわらかな輪郭線、動物たちに囲まれた初老の主人公……。それらを眺めてい…

Back to Bed, Ed! 幼い頃を思い出してしまった

"Back to Bed, Ed!"は、若いお父さん、お母さんたちに共感の嵐を持って迎えられる絵本だろう。 おやすみ前のお決まり儀式を終えやっとベッドにもぐりこんだかと思ったら、子どもが「眠れない…」と親のベッドにもぐりこんでくる……あの瞬間……、ああ〜今夜も熟…

The Quiet Book むしろ疲れた大人たちに贈りたい静かな絵本

"The Quiet Book"は小さな子ども向けの「おやすみ誘い絵本」なのだけれど、作品全体をおおう渋いトーンと個性豊かな動物たちの表情ゆえに、大人でも癒される人が多いのではないかと直感した絵本だ。 イラストは鉛筆とカラーインク使用のデジタル処理で、朽葉…

Hurry Up and Slow Down ウサギとカメのかわいらしいお話

冬の翌日は、ふたたび春の一日でした。絵本のページをめくるように、春、冬、春の順番で絵巻を見せてもらったようで、自然の気まぐれにただただ目を瞬かせるばかり。昨日の銀世界は夢のように消え去り、さわやかな青空の下、光る風が吹き抜けていきます。 そ…

Little Hoot ふくろうぼうやのおやすみストーリー

『Little Hoot』は、『Little Pea』*1のフクロウ版でしょうか。おやすみ前の一幕に登場するこちらのファミリーも、ほのぼのしていて可愛らしかったです。 今回は、フクロウの夜行性を前提にした着眼点がウィットに富んでいます。子どもの本能とは正反対の、…

Dinosaur vs. Bedtime きょうりゅうくんVSおやすみなさい

デフォルメをきかせた落書き風のきょうりゅうくんが、「ガオー、ガオー、ガオー!」――。威勢のいいおたけびからして、元気な男の子に見たてていることがすぐにわかります。「ガオー! ぼくは、きょうりゅう。ぼくに かなうものなんて なにもないよ!」。では…

In a Blue Room 青いお部屋でおやすみなさい

青いお部屋でないと眠れないと言うアリス。母さんは紫ライラックと白百合、オレンジ色のお茶、緑のふかふか毛布、そして小さな鈴の飾りを順に運んできてくれますが、やはり青いお部屋の存在にはかなわないようです。でも電灯を消すと部屋は月の光に包まれて…

The Prince Won't Go To Bed! かわいい かわいい王子さま

おねむなのに寝付かない小さな王子さま。お城のみんながあれやこれやで策を講じますが、王子さまはパチリと目を覚ましてしまいます。「ねんねしない!」。王さま、王妃さまが留守の晩、何をしても寝付かない王子さまは、いったいどうしたら眠りについてくれ…

At Night 都会の夜に吹く風は……

眠れない夜、甘い夜風に誘われて女の子は屋上に向かった。枕とブランケットを運び出し、まろやかな月光に包まれて椅子のベッドに寝そべれば、世界は安らぎに満ちていた。古いレンガ作りのその建物は、対岸に摩天楼を臨む港の一角にある。おかあさんといっし…

Hickory Dickory Dock いっちく、たっちく、おうやおや

英国の童謡マザーグースの中でも息子がお気に入りだった、"Hickory dickory Dock"。これを地元絵本作家キース・ベイカーが可愛らしいおやすみ絵本に仕立てたのが『Hickory Dickory Dock』だ。オリジナルのねずみさんの歌を夜中の12時まで膨らませ、動物たち…

The 108th Sheep がんばれ ひつじくん108番

エマは寝付けず、困っていた。ホットミルクを飲んでも、本を読んでみても、なかなか眠くなってこない。それならとオーソドックスに羊を数えてみた。数を唱えるたび、ふわ〜んとエマの頭上を飛び越えていく羊たちだったけれど、あらあら107匹まで数えたところ…

A Perfect Day こんなにいい日はないよ

レミー・シャーリップの最新作『A Perfect Day』がすてきです。紙の質感と水彩のやわらかい色合いが父子の何気ない一日を伝える絵本で、日々開いては陽だまりのようなぬくもりを確かめています。絵本には「何気ない」が必要条件として求められますが、そこが…

あすは きっと

小さな子どもたちの姿が描かれた絵本『あすはきっと』(原書『The Tomorrow Book』)を娘と読み、ぽちゃぽちゃ、ぷくぷくした「あの時代」を思い出していました。きっと娘も同じでしょう。小さくなった服からぷっくりおなかのはみ出ちゃっている男の子、もじ…

GOODNIGHT MOON は60歳

チルドレンズシアターで『Goodnight Moon』*1(邦訳『おやすみなさいおつきさま (評論社の児童図書館・絵本の部屋)』)のミュージカル鑑賞。安らかな時間の流れるおやすみ絵本が、いったいどんなパフォーミングアートになるのか。興味津々でドレスリハーサル…

THEO and the BLUE NOTE セオのブルース

スキー旅行を一日早く切り上げシアトルに戻った理由は、子猫のギャビイにある。窓辺にあったガラスの置物を倒して割った前科があるので、とくに暖炉の上など、家の中をめちゃくちゃに荒らしているのではないかと勝手な想像が頭の中を駆け巡った。お隣さんに…

While You Are Sleeping きみがねむっているあいだに……

夜の魔法を描かせたら、ディーコンの右に出るものなし。音を立てずに動き出すこんな夜を目にしたら、誰だって心の底からため息をもらさずにいられない。甘すぎず、素朴すぎず、そのままのデッサン力で表現された夜のファンタジーに心奪われる。 光と闇の、絶…

Monster Night at Grandma's House おばあちゃんちでのおとまり

昼間は楽しいことがいっぱいなのに、夜になるとやってくる。暗がりから怪物が……。書店のハロウィンコーナーで紹介されていたのは、単にタイトル『Monster Night at Grandma's House』のせいだったようだ。実際、ハロウィンの怪物やおばけの姿は出てこず、描…

When Sheep Sleep ひつじがねむってしまったら

ねむれないよるには、ひつじをかぞえてごらん!/でも、もし ひつじがねむっていたら、どうしましょう?/それなら 森の しかをかぞえてごらん。でも みて みんなよりそい、だれも目など あけやしない。/それなら まきばのうしをかぞえてごらん。でも みて …

COUNTING OVEJAS ひつじがいっぴき

眠れない夜の思い出――祖母の家では、柱時計のチック、タック、チック、タック。自宅では置き時計のウェストミンスター・チャイム。夜は時間と親密だ。辛抱強く時間と向き合ううち、すまし顔の正確な秒針がいつの間にか朝を連れてくる。眠れない夜に羊を数え…

So Sleepy Story 催眠効果が抜群

薄明かりの静かな部屋で、みんながぐっすり眠っている。ベッドの中の男の子だけでなく、椅子も壁も、壁にかかっている絵も、戸棚の中のお皿までも。そこにどこからか軽やかな調べが流れてきた。ふっとみんな目を覚まし、夢の世界で体を揺らすように踊りだす…

"I'm not cute!" ぼく、かわいくなんかないよ!

こうといえば、ああと出て、ああといえば、こうと出る。コミカルなコンピュータ・グラフィックスのイラストに引かれて手にした絵本『"I'm Not Cute!": I'm Not Cute!』(邦訳『かわいくなんかないっ! (児童図書館・絵本の部屋)』)には、ふくろう赤ちゃんの…

Sleepy Places ねどこ どこかな?

テントの中、寝袋でお休みすることから『Sleepy Places』(邦訳『ねどこどこかな?』)を読んだ。クリーム色の地にやさしい水彩がぴったりで、絵を眺めているだけで心地よさに包まれるタイプの絵本。韻もなかなかかわいらしかった。 絵本のテーマにあるお気に…

小学生受けする Don't Let the Pigeon Stay Up Late!

『Don't Let the Pigeon Stay Up Late!』は、絶対に小学生受けする絵本だと思う。ハトの振る舞いがまるで自分のようで、笑いが絶えないんじゃないか。 登場するのは、あのバスの運転手とハト*1。冒頭運転手のおじさんは、読者にお願いごとをする。自分が歯を…

Sleepy Boy

『Sleepy Boy (Richard Jackson Books (Atheneum Hardcover))』は、夜を迎えなかなか寝付けない男の子と傍らに寄り添うお父さんのひとときを描く絵本。やわらかい灯に包まれた坊やの寝顔があまりにも可憐で、手にとらずにいられなかった。 この子は今日、動…

山椒魚の部屋――サラマンダー・ルーム

原書タイトル『The Salamander Room (Dragonfly Paperbacks)』をそのまま訳したら、何やら純日本文学みたいな題名になった。これも息子が大好きだった1冊。ページをめくる、というより表紙を目にした瞬間から引き込まれるファンタジーに、彼もわたしも酔い…

眠れない夜に

息子と読んだ絵本は『Ned Goes To Bed』。彼には幼すぎる絵本だけれど、イラストが好きそうかなと思って。 犬のネッドくんはなかなか眠れない。それなら月に旅しようということになり、(飛び出す仕掛けの)ロケットに乗り出発! 各見開きに韻を踏む2行が並…