Sleepy Boy

 『Sleepy Boy (Richard Jackson Books (Atheneum Hardcover))』は、夜を迎えなかなか寝付けない男の子と傍らに寄り添うお父さんのひとときを描く絵本。やわらかい灯に包まれた坊やの寝顔があまりにも可憐で、手にとらずにいられなかった。
 この子は今日、動物園でライオンの親子を見てきた。脳裏に焼きついて離れないライオン親子の姿が家の中にそのまま描かれ、現実と幻影の間に流れる時間をゆったり静かに表現する。一日に起きたことをゆっくり淡々と語る文章と、イマジネーションを交えたイラストが絶妙の時空を描き出し、家の中の音、人々の体温、部屋のにおい、そういうものがこの絵本を作り上げているように感じられた。文章もそうだが、何より画力がなければこういう世界は築けないだろう。
 もうすぐ、父の日。うちの父子関係は、とうにこういう時期を過ぎ去っている。でも、この絵本のおかげで、こんなときもあったなあと感慨に耽ることができた。黄金色の親子のひとときとは、このことである。
 本日は、今年最後のE中ジャズバンドによるスウィング・ダンス・コンサート。小柄な息子が大きなバリトン・サックスでソロ演奏したときは、主人といっしょに思わず「かわいい〜」を連発してしまった。息子はダンスも好きで、ジュニア・バンドの演奏が終わると、友だちと手を取り合いスウィングしていた。この無邪気さに乾杯!(asukab)

Sleepy Boy (Richard Jackson Books (Atheneum Hardcover))

Sleepy Boy (Richard Jackson Books (Atheneum Hardcover))