The Prince Won't Go To Bed! かわいい かわいい王子さま

　おねむなのに寝付かない小さな王子さま。お城のみんながあれやこれやで策を講じますが、王子さまはパチリと目を覚ましてしまいます。「ねんねしない！」。王さま、王妃さまが留守の晩、何をしても寝付かない王子さまは、いったいどうしたら眠りについてくれるのでしょう。
　子どもたちの小さな頃を思い起こして読んだ絵本です。それぞれの寝付かせ作戦に、それとなくおとぎ話や童謡の要素が組み込まれていて、『The Prince Won't Go to Bed』はこの趣向だけでお気に入りの絵本になりました。乳母はマザーグースの手遊び"pat-patty-cake"をし、大臣はお風呂で"RUB-DUBBED"。騎士のお供が持って来た羽枕には"がちょうの羽"が詰まっていて……。コックの作った"プラム・プディング"、護衛の運び入れた22枚の"マットレス"、そして音楽を奏でる人々――すべての背景に、それぞれおとぎ話の世界が広がっています。うっとり。
　それだけではありません。写真コラージュと厚塗りを交えたミックス・メディアが、王子さまのやんちゃぶりと中世のお城の重厚感を洒脱に演出しています。表紙からすでに出会いを感じた絵本でしたが、ページを開き直感は確信に変わりました。
　おしまいも、ぽちょぽちょとかわいい。小さな王子さまのラブリーな物語です。おやすみ絵本にぴったり。(asukab)
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The Prince Won't Go to Bed