米国男子の読書事情
ジョン・シェスカの男子向け読書案内サイト"GUYS READ"*1に、同サイト開設の理由が掲載されている。(以下、抜粋)
男子と読書
- 過去30年間、米国教育省実施のリーディング・テストにおいて毎年、男子はいずれの年齢でも女子の結果より劣っている。
- 中学8年生では女子に比べ倍以上の生徒が伸び悩んでいる。
- 高校における特別学習の生徒のうち、2/3は男子である。
なぜ、こうなるのか?
- 生物学的に男子は女子より成育が遅く、その結果、多くの場合、リーディング&ライティングのスキルに問題を抱えてしまう。
- 体を使い、競い合いを好む男子の学習スタイル(たとえばゲームなど)が、静的な読み書きの学習に反している。
- 男子にとり魅力的な課題図書が少ない。これにより、読書欲が湧かない。
- 社会的に男子は気持ちを抑制するように教えられる。これにより、フィクションで描かれる感情や心情を吟味できない状況が生まれ、多くの場合、うまく味わうことができない。
- 文学に関し、目標となる人物像が十分に存在しない。なぜなら、子どものリーディング学習に携わるほとんどの大人が女性であり、男子はリーディングを「男の活動」だと見ていない可能性もある。
男の子のための読書運動"ガイズ・リード"は、ニューヨーク・アーツ財団(NYFA)から援助を受け、アマゾンの協力のもとで始まった。シェスカはここで、特に男の子に図書を紹介し読書活動を促している。うちの息子を含め、たくさんの男の子が読書を通して人生の学びを深めていくことを願わずにはいられないなあ。
雑感。最後の指摘は鋭い。米国独自の社会問題かも。子どもの頃から机に向かう漢字学習があり、男性小学校教員も多い日本には当てはまらない例ではないか。