Penguin おしゃべりしないよペンギンくん
再び英国の絵本。『Dog Blue』(邦訳『あお』)*1や『Down the Back of the Chair』(邦訳『みーんないすのすきまから』)*2など前作でファンになったので、『Penguin』(邦訳『ペンギンさん』)にも注目。
ベンがもらったペンギンくん。「こんにちは」と話しかけてみても、何の反応も示さない。当たり前だよね、ぬいぐるみのペンギンなんだもの。しかし、そんな読者の思惑などつゆ知らず、ベンはペンギンと遊ぼうと手当たりしだい、くすぐってみたり、歌ったり、ダンスしたり、意思伝達――コミュニケーション――を試みる。挙句の果てにはライオンに登場してもらって、何とかペンギンにしゃべってもらおうとしたけれど……。このライオンさんは体全体が青いのだけれど、もしやこちらもぬいぐるみなのかな。
何をされても、ひょうひょうとベンを見つめ返すペンギンくん。このおとぼけの表情が愛嬌いっぱいで、「わかっているはず」の世界から思わず不思議なペンギンワールドに引き込まれてしまうのだった。終幕の意外性に魅せられる作品だけど、やっぱりベンとペンギンの織り成す掛け合い漫才風のシーンが最高かな。それぞれのキャラクターが巧く出ていて、かわいいお笑い劇場が楽しめる。(asukab)
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- 白を背景にした、ほんのりカラフルなイラストがいい感じ
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*1:こちらはその昔図書館で見かけたけれど、どうやらレビューは書かなかったらしい。邦訳もされたんだったっけ。