non fiction

The Bat Scientists コウモリのすべて

昨日に続くシリーズ。こちらは、コウモリについて詳しくレポートされている。対象はやはり高学年から中学生ぐらい。サイエンティストたちの活動を見ていると、いろいろな研究分野があるのだと思い知らされる。The Bat Scientists (Scientists in the Field S…

The Hive Detectives: Chronicle of a Honey Bee Catastrophe ハチのノンフィクション

小学校高学年から中学生ぐらいに向くハチのノンフィクション写真絵本。かなり詳しいので、じっくり学びたいときに開くといい。現代の養蜂産業について、たくさん記事が載っている。 クマのプーさんのように、ハチミツが食べたくなってきた。The Hive Detecti…

Growing Patterns: Fibonacci Numbers in Nature 自然界の不思議な数

フィボナッチ数と呼ばれる数列を紹介するノンフィクション写真絵本。この数列は古代インドですでに発見されていたけれど、イタリアの数学者フィボナッチが有名にしたらしい。 絵本では花びらやまつぼっくりの種などを用いてフィボナッチ数を説く。 1+1=…

Here Comes the Garbage Barge! ニューヨークのゴミ処理問題を扱った絵本

"Here Comes the Garbage Barge!"は、ゴミ処理問題を世に問うた実話を描く絵本である。 ことの起こりは1987年3月22日、ニューヨーク州ロングアイランド、アイスリップ市がゴミ埋立地不足から苦心した結果、ゴミを乗せたはしけを南部に送り出したこと…

Old Penn Station NY ペンシルべニア駅の歴史

ニューヨークに行ったことはないけれど"Old Penn Station"を読み、飴色の灯が照らす華やかな時代のペンシルベニア駅を想像してみた。 1910年、時代の興盛に乗りペンシルべニア鉄道会社はハドソン川の下にトンネルを掘り、同駅をオープンさせた。それまで…

Nasreen's Secret School アフガニスタンの今 虐げられた女子教育

アフガニスタンについて。タリバン支配、制圧からカルザイ政権発足まで、政治的な事実を知っていても、人々の暮らしが実際どのようなものかはっきりイメージできずにいた。 ノンフィクション絵本"Nasreen's Secret School"は、世界規模で活動する児童救済非…

In the Belly of an Ox: The Unexpected Photographic Adventures of Richard and Cherry Kearton 自然科学に新しい道を示したキアトン兄弟

上記フェリシア・ボンドとよく間違えてしまうのが、こちらのレベッカ・ボンド。彼女の水彩画は筆運びが軽快で、そこから生まれる楽しさは雪やドーナッツの絵本でもおなじみだ。なので、"In the Belly of an Ox: The Unexpected Photographic Adventures of R…

Marsupials オーストラリアの動物たち

"Marsupials (Nic Bishop)"とは、有袋類の動物のこと。コアラ、カンガルー、ウォンバット、ポッサム……このあたりまでは知っていたけれど、他にも小さくてちょこちょこした名前の知らない動物がたくさんいた。その数300種以上。みんなお母さんのおなかの袋…

The Frog Scientist タイロン・ヘイズの道

"The Frog Scientist (Scientists in the Field Series)"は、カエルの生態を伝えるノンフィクション絵本ではあるのだけれど、同時にその研究分野で活躍するサイエンティストを紹介する絵本でもある。 タイロン・ヘイズの生物学者への道は平坦ではなかった。…

Never Smile at a Monkey: And 17 Other Important Things to Remember 動物たちとこうしてお付き合い

"Never Smile at a Monkey: And 17 Other Important Things to Remember"は、野生の動物たちに対して「してはならない行為」を紹介する。 いつもの切り絵アートで表現される動物たちは、ここでもゴージャス。ノンフィクション絵本ではあるのだけれど、アート…

We Are All Born Free アムネスティ・インターナショナル世界人権宣言の絵本

"We Are All Born Free: The Universal Declaration of Human Rights in Pictures"は1948年12月10日、国連総会で採択された世界人権宣言を紹介する絵本。原文よりも簡潔にまとめられている分、メッセージがずしんと重く心に届く。 英国の絵本ということで、…

The Boy Who Invented TV: The Story of Philo Farnsworth テレビ時代の終焉に

テレビ時代の終焉に"The Boy Who Invented TV: The Story of Philo Farnsworth"を読んだ。光を通した映像システムの構想が、耕していた農地の畝をストライプに置き換え生まれたとはおもしろい。農夫だったフィロ・ファーンズワースの生涯は、特許取得との闘…

Animal Colors: A Rainbow of Colors from Animals Around the World 神さまからの贈り物――色いろいろの動物たち

諸聖徒日が過ぎても、今年はまだ赤、橙、黄など色鮮やかな紅葉が目を楽しませてくれます。自然界の生み出す色の美しいことといったらありません。木々を眺めては感動する毎日が続く中、ハッと目を奪われた絵本に出会いました。タイトルは"Animal Colors"。色…

14 Cows for America 有事をどう生きるか

"14 Cows for America"は、ケニア人留学生ウィルソン・キメリ・ナイヨマさんの911同時多発テロ事件体験をつづったノンフィクション絵本。ケニアに帰国した際、村人たちにニューヨークの惨事を伝え、地元では命の糧とされる「牛」を捧げることで、被災者たち…

Teedie: The Story of Young Teddy Roosevelt テオドア・ルーズベルト大統領のお話

"Teedie: The Story of Young Teddy Roosevelt"は、娘が夏休みの読書リストにいの一番に書き込んでいた絵本。「絵本でいいのー?」と正すと「いいんだよー」と白を切っていた。その後に夢中になっていたのが"Molly Moon"シリーズだったから、まあいいか。 閑…

Honk, Honk, Goose! カナダ・グースの親子

そういえば、グースの雛って見たことないなあと思いながらページをめくる。"Honk, Honk, Goose!: Canada Geese Start a Family"は、グース(雁)の雌雄が雛をかえすまでの様子を、擬音語をたっぷり織り交ぜて紹介するノンフィクション絵本である。イラストが…

How Many Baby Pandas? コロコロパンダがいっぱいの数の絵本

コロコロ、フワフワ、そしてシロクロ。この白黒デザインの完璧とも思える配置には、丸くて柔らかそうなイメージ以上に、いつも目が釘付けだ。竹林の中でゴロンゴロン、コロンコロン。初めてパンダを見た人々は、どんな気持ちだっただろう。中国の奥地で生息…

How Many Ways Can You Catch a Fly? どうぶつものしり絵本

『How Many Ways Can You Catch a Fly?』は、アートなちぎり絵で数々の動物ノンフィクション絵本を生みだしたジェンキンス・ペイジ夫妻の最新絵本。表題の質問に加え、魚獲得の方法、たまごのかえし方、葉っぱの使い方など、動物たちの生態に迫る興味深い事…

SEA HORSE:The Shyest Fish in the Sea タツノオトシゴ ひっそりくらすなぞの魚

タツノオトシゴ――なんて不思議な生き物なんだろう。容姿も名前も一度目にしたら忘れられない非日常性を持ち合わせ、一瞬作り物じゃないかと疑ってしまうような存在。謎に包まれた魚――魚なのである!――は、生態もとびきりユニークだ。エリック・カールの『Mis…