Hook 大空に弧を描くイーグル

 「あっ、イーグル!」――。悠然と弧を描いて舞うイーグルの存在を教えてくれたのは、子どもたちだった。はじめは何のことなのかよくわからず、とりあえず指のさされた方向を見上げただけ。透明な空の一点に焦点を合わせようと、あたふたしていた。堂々と空を独り占めする姿を確認すると、ほっとして同時に大自然の果てしなさが広がってきた。
 "Hook"は、見知らぬたまごからかえったイーグルの赤ちゃんフックが大空に羽ばたくまでを描く。途中、にわとりやネイティブアメリカンの少年に応援してもらいながら、最後は勇者となり空に消えて行く。
 パステル使いの抜群の画力が、ときに力づよく、ときにやさしく、フックの懸命な姿を活写する。言葉は少なく、「絵が見せる」手法だ。北米の大地と大空が、無性に愛しくなってきた。
amazon:Ed Young

Hook

Hook