こども

 クリスマスはイエスさまのお誕生日ということで、小さな子どもたちが普段にも増して脚光を浴びる時期。生誕を祝う贈り物ということで、「贈り物」もテーマになるわけだけど、やはり、どう考えてもわたしのとっての人生で最高の贈り物は「息子と娘」である。親なら誰でもそうでしょう。両親もそう感じていたことは、振り返ってみればよく分かる。みんなそうやって、クリスマスの気持ちを共有してきたのだな……と、今更ながら大天使ガブリエルに耳を傾け、ヨセフとマリアを思い描き、東方の博士3人を追い、羊飼いの心情を想像する。
 子育ては、親の思い通りにはいかないけれど、子どもたちがいなければ、こんなに楽しい日々は存在しなかった。子どもを知らなければ知らないなりに、これまた幸せな日々は送れていたと思うけれど、わたしの場合は今の幸せでよかったと思う。クリスマスと子どもの光景は美しく、絵になるのである。
 翻って現場に目を移すと、大人から放置されたままの子どもたちがたくさんいる。親は自分の生活で手一杯なので、子どものお守りはテレビとゲーム。人生最初の10年間をこうして過ごすとどうなるか。現場の毎日が、それを見事に物語る。
 この仕事、「好き」だけでやっているわけではない。「誰かがやらなきゃいけない」みたいな義務感が伴っている。ズタボロになったら誰かに代わってもらい、その間休めばいいだけのことだけど、適度に距離を置いて進めていかにと、どっぷりとは身を任せられない世界。新米の教師は、その匙加減がわかっていないなと最近感じてしまう。
 ということで『こども』の絵本。いろいろな子どもたちが、幸せそうに描かれている。帯には……

やさしい子、たのもしい子、いじわるな子、なきむしな子
いろんな子がいるけれど、みーんな「こ・ど・も」!
元気でゆかいな絵とリズミカルな文で、いろんな子どもの姿を描いた、楽しい絵本。

……とある。「こ・ど・も」みーんなが、暖かく幸せなクリスマスを過ごすことを願って。主の平安。(asukab)
amazon:Catherine Anholt
amazon:Laurence Anholt

  • 本来なら、新学期が始まった頃に読むといいのかな。書影がないので原書で。邦訳の表紙には「こども」と日本語でタイトルが入っているので、原書のイメージと少々異なります。でも、子どもたちの笑顔はいっしょ!

Kids

Kids