The Latke Who Couldn't Stop Screaming: A Christmas Story 皮肉とユーモアでハヌカを語る絵本

 『The Latke Who Couldn't Stop Screaming: A Christmas Story』は、ハヌカの習慣を紹介する絵本。しかし、ただならぬ赤い表紙からも察せられるように、レモニー・スニケットが皮肉とユーモアをたっぷりと絡めてハヌカのジャガイモ料理ラトケを主人公に語っている。
 ユダヤ人にとりハヌカは大切な年中行事で、ちょうどクリスマスと同時期に祝われる。ウィキペディアによれば……

 ハヌカとはユダヤ教の年中行事の一つで、マカバイ戦争(紀元前168年 - 紀元前141年)時のエルサレム神殿の奪回を記念する。アンティオコス4世エピファネスと異教徒によって汚された神殿の清めの祭りである。キスレーウの25日から8日間祝う。奉献の祭り Feast of Dedication、光の祭り Feast of Lights ともいう。
 キリスト教で言うところのクリスマスの時期にユダヤ教徒ハヌカを祝う。キリスト教圏の国のようにクリスマスプレゼントを子供達に贈るといった習慣はなく、ユダヤ人社会ではサンタクロースなどの習慣もない。近年はキリスト教徒にならい「ハヌカー・プレゼント」を与える家庭もあるが、敬虔なユダヤ教徒はクリスマスの真似を嫌うため一般的には受け容れられていない。ドレイドルと呼ばれる木製の独楽がユダヤ教の伝統に則りハヌカの日に子供達へ与えられる。

とあり、今年は12月5日だった。絵本にはクリスマス化しているハヌカをやんわり風刺しながら、楽しく美味しい冬のお祭りが描かれる。
 なんたって、「ああああああああ〜〜〜〜〜」と叫び続けるラトケちゃんが愉快。読んでいて、食べたくなったのは言うまでもない。
 いつか息子に贈ったドレイドルのコマを思い出し、ちょっと胸が痛んだ。商業クリスマス主義にまっこうから挑んだわたしたち夫婦は、息子が4歳のクリスマスに、ドレイドルのコマ1個を贈っただけだった。お友だちは、大きな汽車セットなど好きなものをもらっていたというのにね、ごめんね、今でも振り返ると涙が出ちゃうな。子どもの気持ちを汲むべきだったと後になって反省した苦いクリスマスの思い出――。(asukab)
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  • 手のひらサイズで、とびきり楽しいクリスマスの「赤」が印象的。大人受けする絵本

The Latke Who Couldn't Stop Screaming: A Christmas Story

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