So Few of Me たりない!

 クリスマスの朝は、親戚一同が集まりブランチ。毎年同じ朝だけど、同じことに祝福があると感じられるようになった。大人の加齢と子どもたちの成長ぶりを互いに確認しあう。
 さて、ここを通り過ぎると、すぐに年末となる。仕事始めがお正月二日って言うの、勘弁してほしいなあ。もっとのんびりしていたい、とすでに怠け心が芽を出している。そんな折に読んだのが、『So Few of Me』。ワーカホリックさん(というか何でもまじめに完璧にこなしたい人?)に贈りたい一冊である。
 レオはいつも忙しい。「やることリスト」には、片付けなきゃならないことがいっぱいだ。どんなにがんばっても、するべきことが次から次へと山積だった。「もうひとり、ぼくがいたらいいのに」。すると願いがかなえられ、レオは二人になる。ところが喜んだのもつかの間で、二人になったらなったで仕事の量がもっと増えた。じゃあ、三人だったら? こうして三人、四人、五人……とレオは増えていったけれど、数に比例して仕事の量ももっともっと増えていった。いったいどうしたらいいのだろう。
 わたしにもそんな日々があった〜と、ちょっぴり懐かしく振り返る。あるアイデアが浮かぶと、次から次へと新しいプロジェクトが生まれ――本人はそれで楽しかったのだが――仕事に没頭するかなりのワーカホリックだった。今と大違いではないか! これも笑える。この大変身の原因は、子どもが生まれたこと。彼らのおかげで、人生観がすべて変わった。自分でやらないと気がすまない性格と周りにお構いなしのやり過ぎはよくないとやっとわかったのである。今では怠けすぎないように気をつけなきゃいけないなんて、ずいぶん皮肉な日常になったものだ。いずれにしてもバランスが大切かな。過ぎたるはなお及ばざるがごとし。
 さて、レオの人生はどうなるのかな。(asukab)
amazon:Peter H. Reynolds

  • これも人生の指南書となる絵本*1,*2。見返しに注目。

So Few of Me

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