The Chicken Thief ニワトリどろぼう

 夏からずっと読みたいと思っていた、フランスの絵本。文字なしシリーズの第1弾として米国の出版社から出た。
 振りかえってみれば、まるで略奪婚のようなお話。しかし、子どもの絵本なのでもちろん、愉快に和やかに描かれる。キツネがクマの家からニワトリを盗んだ。森を抜け、山を越え、海を渡って追いかけ、最後にキツネの家にたどり着くと……。
 見どころはもちろん、この逃走&追走シーンである。途中、ほっこりと幸せそうにキツネに抱かれるニワトリに、弱肉強食とは異なる構図が見えてきた……と思ったら、帰結はやっぱりそうだった。これでいいのか、うーん、よくわからないけれど、これでいいのだろう。少なくともニワトリ略奪は、食用目的ではなかった。横長で、かなりお気に入りになってしまいそうなサイズ。
 第2弾はガイサートの絵本"Ice (Stories Without Words)"。

The Chicken Thief (Stories Without Words)

The Chicken Thief (Stories Without Words)

amazon:Beatrice Rodriguez