四季の絵本手帖〜季節の風景と思い出〜

 子どもの一年を振り返ると、移り行く季節ならではの風景がさらに鮮やかに見えてきます。自然の姿、季節ごとの行事、心の弾むこと、驚くこと、ときには日々の中で発見する小さなできごとなどいろいろです。季節を意識する生活は人の心に彩りを添え、ささやかな意識の変革は日々の暮らしを豊かな流れに導きます。
 そんな暮らしに、絵本が加わればどうでしょう。

 春……虫、花、鳥、庭、友だち、兄弟、新しいもの
 夏……海、魚、雨、空・星、冒険、遊び、ジャングル、くだもの
 秋……収穫・食べ物、紅葉・森、動物(園)、月、芸術、世界、
    熟して豊かなもの
 冬……雪、クリスマス、コート、おもちゃ、家族

 もちろん、すべてが季節のテーマに当てはまるわけではありませんが、わたしのイメージの世界では、春夏秋冬、こんなキーワードを巡らせながらの絵本選びが続きます。絵本を手にしたとき、「これはいつ、どんな機会に読もうか」と思いを巡らせると、ぽっと、ときめきが生まれ、そうして読んでいると子どもの暮らしにも彩りが広がっていきます。
 絵本の力は、読後にこそ発揮されます。その魔法のような時間にはいつの間にか世界で一番幸せなひとときが生まれ、そこでは深く記憶に留まる思い出が作られています。(asukab)