The White Ram: A Story of Abraham and Isaac 白いおひつじ――アブラハムとイサクのはなし

 昨日は、諸聖徒日。だからというわけでもないけれど、旧約聖書の絵本『The White Ram』について記す。
 天地創造最後の日に、神は白い羊を創り出した。この羊こそ、アブラハムが息子イサクをいけにえに捧げようとしたそのとき、イサクに代わって神に捧げられた牡羊だ。絵本には、羊がどんな宿命を背負い山上に向かったかの過程が象徴的に描かれる。
 旧約はあまりまじめに読まなかったので大きな顔をして語れないが、このできごとの背景にはアブラハムの敬虔な信仰心がある。年老いてから授かったわが子を「いけにえにせよ」と神から命じられ、素直に従うアブラハムの心中いかに。刃物を振りかざしたとき、神の声が響きわたり彼の従順な信仰がたたえられた。牡羊は喜んで身代わりになり、灰、骨、腸、皮すべてがその後、さまざまなところで大きな働きをなす。
 素直に信仰に従う者が、神の恵みを享受する。これは盲目的な信仰とは異なるだろう。純粋に信じるという意味において、アブラハムの姿から学べることがある。
 イラストは、色づかいも筆致もとてもドラマチック。聖話とか寓話の挿し絵に向く画家だと思った。
 祖母ユリアナS、祖父ダビデSに主の平安――。(asukab)
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The White Ram

The White Ram