今日の色 冬の並木道
■白菫色(しろすみれいろ)
■灰白色(かいはいしょく)
■利休茶(りきゅうちゃ)
子どもたちといっしょに買い物に出た。車窓から空を見上げると、ほろりと泣き出しそうな雨雲が街を覆っている。シアトルの冬空は、いつもこんな色。並木の枝枝が華奢な姿をさらし、「今は冬の真っ只中。まだまだお待ち。せめても二月まで」と囁き出す。そうよね、旧正月を祝う頃から、ここの冬はほんの少しほころびを見せ始めるのだ。真っ暗な闇の時期が、一年で一番辛く感じられる緯度の高さでもある。この暗さを通り越したら、もう春は間近と気持ちがほのめくのだった。
車の中では、息子と娘のお喋りが続く。冬の並木道がどんな色をしているかなどまるで他人事のように、彼らには彼らの季節が巡っていた。