JOURNEYS FOR FREEDOM 自由を求めた人々の20話を収録した米国史絵本

 自由って、なんだろう。ときに身勝手さとすりかえられてしまいそうだが、真の自由には責任と忍耐が伴う。『Journeys for Freedom: A New Look at America's Story』には、「北米で」あるいは「北米に」自由を求めた人々を伝える二十話が収録される。
 清教徒、開拓者、先住民族、奴隷、移民、難民、兵士、農民――米国で「自由」について語るには、たくさんの視点から歴史を見つめなければ見えてこない。作品は史実の流れを追いながら、自由を求めた人々の進んだ経路をわかりやすいイラストと解説で紹介する。新しいところでは、アフリカ難民、公民権運動、ユダヤ人移民、中国移民、古いところでは清教徒たちの移住、奴隷解放先住民族の求めた自由など、一目で状況が把握できる詳細なイラストがやはり目を引いた。
 必ず載せるべきと思っていたネズパース族*1の戦いが収録されていて満足だった。卑怯な合衆国軍の醜態も、自由の延長なのかと思うと悲哀が漂う。
 小学生から中学生向けの歴史絵本。米国を知りたい人に。(asukab)
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  • 日系人収容所についても言及していれば、もっとよかったのでは……、自由と関係ないのか……?

Journeys for Freedom: A New Look at America's Story

Journeys for Freedom: A New Look at America's Story

*1:アイダホ州中部からワシントン州オレゴン州にわたって住む北米先住民族