一冊の絵本から

 絵本ナビに投稿していたころ、感想は子どもたちとのやりとりを紹介するというものだった。投稿規定に求められる姿勢としてそういう形が望ましいと書いてあったし、日々の記録という意味でも納得のスタイルだった。
 絵本手帖を開設したころも、記録として続ける。ときどき紹介形式に陥り、書き手の横柄さが表出したムードに占拠されることもあったりして。こういうのは、反省の塊。でも、そのままにしてある。
 現在は、「個人的なつぶやき+記録+絵本の描写」みたいな感じだろうか。敬体にしたり、常体にしたり、気分しだいで書き綴る。これが楽しい。一冊の絵本から、それこそいろいろな話題が発見できるのでわくわくしてくる。絵本手帖の上で、絵の具をまぜ、色を作り出しているような感覚だ。それをどんな風に塗って描いていこうか。心の赴くままに表す行為が、極上の時間に変わる。
 一日三十分の絵本レビューは、おいしいビタミン剤。