Rainstorm さわやかな夏に読みたい文字なし絵本

 文字なし絵本『The Red Book (Caldecott Honor Book)*1を冬、『Museum Trip*2を秋に読むとしたら、リーマンの最新作『Rainstorm』は断然、さわやかな夏になります。暗雲たれこめた表紙のイメージとは少々対照的ですが、まずはここに見える窓にご注目を。真っ青な空に白い雲がしあわせそうに浮かんでいます。ページを開けば、静謐な「あの」世界。前作同様、不思議な時空トンネルをくぐり抜けた冒険が待ち受けています。
 主人公は、大きなお屋敷に暮らす男の子。椅子の下に転がりこんだボールに手を伸ばした際、偶然、小さな鍵を見つけました。何の鍵でしょう。あちらこちら試してみて、やっとどっしりとした木箱の鍵であることがわかります。鍵を回して、かちり。ふたを開けると、そこにははしごがかけられていて、摩訶不思議な空間への旅が始まるのでした。はしごを降りて、ずんずん進んで行くと……。
 雨粒効果を出した表紙ジャケットの特殊加工がすてきです。雨だれにぬれているかのような透明感が、夏の雨をしっとりと想起させてくれます。(asukab)
amazon:Barbara Lehman

  • リーマンコレクション3冊目。季節感たっぷりで、デビュー作と並んでお気に入りになりました

Rainstorm

Rainstorm