Lily Brown's Paintings リリー・ブラウンの絵

 抽象画は、心象画――。最近、遅ればせながらやっとアブストラクトの意味がわかった。色は心の叫びだったのだ。目に見えるものを描くのではない。つまり、目に見えないものを描いている。深さの極み。芸術の意味がここにある。抽象が見えた理由は、id:mmpoloさんの日記で読んだ画家山本弘の一言にあった。

「デッサンは勉強すればうまくなれるが、色は天分だ、俺は色がうまいのだ」

 この一言は、なんにでも共通する。技術は努力しだいで高められるが、芸術(アート)は天性である。話はまったく変わるが、子どもの絵に魅せられる理由はここにあるのではと思う。技に長けていない分、天性がそのまま表れる絵。でも、人生技も必要。こうして技を磨き、技とアートが交錯する。そういう人もいれば、生まれたときからアートのままの人もいる。アートとは、感動を生み出すエネルギー。アートは技を呑み込む。何だかうまく説明できないけれど、色は、わたしなりに解釈すれば、アートの根源になる。
 『Lily Brown's Paintings』の作中画がかわいらしかった。リリー・ブラウンの生活ぶりは写実で描かれ、彼女の絵画は子どもの絵らしく表される。子どもの絵の奔放さと夢が、素直に表現された絵本。(asukab)
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  • リリー・ブラウンのように、自由奔放に描いていこう

Lily Brown's Paintings

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