Where Is the Cake? ケーキを探す文字なし絵本

 『Where is the Cake?』は、娘といっしょにちょっと楽しい時間が過ごせた絵本。
 表紙の印象が、不思議だった。七色使いのカラフルなタイトルとは対照的に、背景はなにやら不気味な暗い森。おまけに、木々の陰には怪しいねずみたちの姿が見え隠れする。薄いピンク色のシュガーコーティングで飾られたチョコレートケーキは、何も知らず幸福そうにテーブルの上にたたずんでいるのだが……。やっぱりね、ページをめくっていくと、ねずみの賊は、ケーキを盗み出してしまうのだ。えいさか、ほいさか、おいしいケーキを運んで逃げていく。犬の夫婦は、ドロボウを捕まえようと走り出す。「ケーキはどこ?」と目を凝らす間にも、村ではいろんなことが起こっていて、思わずそっちに気が取られてしまったり。途中、ケーキがどうなると思う? ええーっ! 川の中に落っこちちゃうんだけど、そういうのもありかな。全体の中で細部を追って遊べ、楽しかった。
 あまり見ない画風と思ったら、オランダの絵本だった。作者はインドネシア出身で、オランダで大活躍しているのだそう。なるほど、第一印象で抱いた不思議な感じは、そんな多様性も理由だったのだ。(asukab)
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  • そういえば、なんとなくアジアのアニメ風? お猿さんたちがおもしろい

Where is the Cake?

Where is the Cake?