こねこのクリスマス

 小猫のギャビがすやすやと眠る傍らで、息子が就寝前の読書。今年はLAの先生が厳しいらしく彼女への反抗心から読書が怠りがちだったのだが、ここにきてやっとその傾向が収まってきた。ほっ。ギャビといっしょの光景が何だか絵になっていたので、気分は『こねこのクリスマス (Forest books)』(原書『The Christmas Cat』)。ちょっとお付き合いしてもらい、久々に息子と絵本を読んだ。
 冬の森を背景に、捨て猫がクリスマスの祝福に出会うお話。素朴な絵本には、何かを予感させる清らかさが満ちている。息子は、心優しいおじさんが夜の森で動物たちに食べ物を振舞う場面を「非現実的〜」と揶揄していたけれど、動物が大好きなので森の描写に関してはまんざらでもなさそうだった。「(猫の)デューク」と言ってアライグマを指差したり、馬小屋飾りのオンドリを指差し「尾っぽがなければ(めんどりの)ルーシー」と呟いたり。目の前にギャビがぐっすり眠っていることもあって、絵本の中の動物をうちの仲間たちとつなげていた。
 イラストがターシャ・チューダー、お話が彼女の娘さんによる心あたたまる合作である。凛とした冬の描写が美しく、鈴の音と共に登場するおじさんなど、ほんのり魔法がかった設定がクリスマスらしかった。降誕劇の飾りを「馬小屋かざり」とした訳もすてきだと思った。
 眠いのに(きっと無理して)ママに付き合ってくれて、ありがとう。クリスマスの意味がたっぷり詰まった絵本をいっしょに読めて感謝。
 来週、収穫感謝を終えると、もうアドベントの季節に入るのか……、早い。(asukab)
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  • 素朴な温もりとクリスマスの喜びが描かれます。原書は真っ赤な表紙(こちらは邦訳の裏表紙に紹介されています)

こねこのクリスマス (Forest books)

こねこのクリスマス (Forest books)