四季の絵本手帖『ザザのちいさいおとうと』
- 春の7ページ ザザのちいさいおとうと
- 作者: ルーシーカズンズ,Lucy Cousins,五味太郎
- 出版社/メーカー: 偕成社
- 発売日: 1996/04
- メディア: 大型本
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けれども、赤ちゃんの存在は、子どもにさまざまな体験を施す人生の先生の役割を果たしてくれます。赤ちゃんとふれあうことで小さな命の存在を知り、食べて、寝て、遊んで成長する人間の姿が学べます。 実際に赤ちゃんをだっこしてみたらとママからアドバイスされたザザは、弟をおもちゃの車に乗せ、積み木で遊んでみて、赤ちゃんのすばらしさを体感しました。「おとうとたのしい、あかちゃんかわいい」――自然に出てきた一言は、ザザの成長の証でしょう。赤ちゃんのいる生活は大変ですが、楽しいこともたくさんあることをザザは弟とのふれあいから学びました。
原色使いの鮮やかなイラストには、赤ちゃんとの生活に欠かせないものがたくさん描かれています。子どもはそれを眺めながら赤ちゃん時代の記憶の糸をたぐり寄せ、再びその存在を確かめるのかもしれません。見返しのイラスト群を作品中に探す遊びも楽しいでしょう。(asukab)