生き物賛歌

 くどうなおこさんの『のはらうた』(『のはらうた (1)』『のはらうた 2』『のはらうた〈3〉』『のはらうた〈4〉』)は、自然界の生き物の気持ちになれる、愛しい詩集である。どれもこれも、小さな生物、自然現象をぴったりの表現でうたい、自然を感じたければ『のはらうた』を開くのがいい。題名と執筆者の名前を聞くだけでも、ぐ〜んと詩のイメージがわきあがる。息子の好きだった詩は1の中から、「おと」いけしずこ、「でたりひっこんだり」かたつむりでんきち、「とべ てんとうむし」てんとうむしまる、「ひだまり」とかげりょういち、「こころ」こいぬけんきち、「みず」こぶたはなこ、「おれはかまきり」かまきりりゅうじ、「どんぐり」こねずみしゅん。1年生ぐらいのときに、いっしょに読んでいたけれど、これは何歳になっても楽しめる詩集だ。大人になっても、ときどき開いて自然を感じて欲しいなと思う。
 今はなきグループ、トラや帽子店が歌い、福尾野歩さんが振り付けた『のはらうた体操(トラや体操2)』というCDまであり、小さな子どもは詩だけでなく体操でも楽しめる。(のはらうた関係でCDに収録されているのは「ぽいぽい・たいそう」こいぬけんきち、「おがわのマーチ」ぐるーぷ・めだか、「しょくじのじかん」あひるひよこ、「ぼくはかぜのこ」かぜのこいっぺい、「ほしのこもりうた」ほしますみ、「むぎむぎおんど」むぎれんざぶろう、「おれはかまきり」かまきりりゅうじ、「いえぃ!」おがわはやとの8作品。)
 虫がいっぱい、鳥がいっぱいの季節を迎え、娘にもっと読んであげようと思った。日本では子どもへの歌や音楽はとても大切にされていると感じるけれど、詩はなじみの薄い存在? 英語圏では、詩こそ小さなうちにたくさん聞き、イメージの世界に遊び、唱え、言葉のリズムを体に染み込ませる言語体験になっているのに。そう言いながら、娘には多忙を理由に詩の世界は十分に提供していない、と反省するのだけれど。(asukab)

のはらうた (1)

のはらうた (1)

のはらうた 2

のはらうた 2

のはらうた〈3〉

のはらうた〈3〉

のはらうた〈4〉

のはらうた〈4〉