『遊びの絵本手帖』さわやかワンピースの季節〜わたしのワンピース〜
さわやか変身ワンピース
「ミシン か〜たかた、ミシン か〜たかた♪」「らららん、ろろろん、らららん、ろろろ〜ん♪」とオリジナル・ソングを歌いながら読み進める絵本は、『わたしのワンピース』です。うさぎさんの行く先々で模様の変わる、夢のようなワンピースが子どもの心をとらえます。女の子向きかなと思いきや、息子も随分楽しみました。
うちでは、この絵本の後に、簡単な変身遊びもいっしょに楽しみます。歌を歌えば、変身の瞬間がさらに盛り上がります。
- 用意するもの
- 二つ折りの紙フォルダー……こちらではマニラフォルダーと呼ばれているもの(なければ画用紙を二つ折りにしたもの)
- フォルダーの間に入れる紙・画用紙。フォルダーにぴったり収まる大きさ。
- クレヨン、色鉛筆、水彩絵の具など
- 黒のペン
- はさみ
- 作り方
- 紙フォルダー(二つ折りの状態・縦)いっぱいにうさぎさんのワンピース姿のイラストを黒ペンで描きます。絵本の中の「あれっ ワンピースが はなもようになった」のイラストのように、大きく、紙面いっぱいに。
- ワンピースの部分だけ、はさみで切り抜きます。フォルダーの地の色が白でない場合、うさぎさんの顔、手、足を白に塗る。あるいは、白い紙を切り抜いて貼ってもよい。
- 紙フォルダーの中にはさむ紙に、花、水玉、草の実、小鳥、虹の模様など、絵本と同じ模様を描きます。ここは、まったく違った模様にしてもおもしろいところ。ワンピースの形は気にせず、紙一面に模様を散らして描く。
遊び方は、もうおわかりでしょう。模様の描いた紙を重ねて紙フォルダーに入れ、お話に合わせて中に入れた紙を引き抜いていきます。「あれっ ワンピースが みずたまもようになった〜」などと言いながら。一瞬のうちに、ワンピースの柄がパッと変わるので、子どもは夢中になりますよ〜。自分でお話もしたがります。
- 作者: にしまきかやこ
- 出版社/メーカー: こぐま社
- 発売日: 1969/12/01
- メディア: 大型本
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変身遊びの応用
この手の変身遊びは、主人公の体の色が次から次へと変わっていくお話には、どれにも応用できます。たとえば、行く先々で体の色を変えていくカメレオンの話『じぶんだけのいろ―いろいろさがしたカメレオンのはなし』*1や、カラフルな象さんがたくさん登場する『ぞうのエルマー〈1〉ぞうのエルマー (ぞうのエルマー (1))』など、それぞれカメレオンと象の形に切り抜いて、同じ要領で遊べます。この2冊は偶然にも、自分探しの絵本ですね。自分の好きな模様や色に紙を飾り、お話に加えても楽しいでしょう。カメレオンのお話は、中に挟む紙は色画用紙そのままでも十分です。
紙を引き抜くアイデアは、こちらの教案集で見かけたものです。そこでは魚の体の色が変わっていくという手作りのお話「マジック・フィッシュ」として紹介されていました。これを読んで、わたしが最初に頭に思い描いたのは、レオ・レオニのカメレオン。さっそく22インチ×28.5インチ(約56センチ×72センチ)のポスター用厚紙を二つ折りにしておおきなカメレオンを切り抜き、中に色画用紙を入れてお話をしたところ、子どもが大喜びだったので、調子に乗って、うさぎさんのワンピースにも応用してみました。うさぎさんのほうが子どもが模様を描く活動に参加できるので、より手作りの遊びといえるでしょう。
- 作者: Leo Lionni
- 出版社/メーカー: Dragonfly Books
- 発売日: 1997/09/30
- メディア: ペーパーバック
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ぞうのエルマー〈1〉ぞうのエルマー (ぞうのエルマー (1))
- 作者: デビッドマッキー,David McKee,きたむらさとし
- 出版社/メーカー: BL出版
- 発売日: 2002/04/01
- メディア: 大型本
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布遊び
用意するものはたくさんの布。縦横30センチぐらいが適当な大きさでしょうか。機会を見つけて意識して集めると、これも楽しくなってきます。
同じ色で違う肌触りの布は、触覚を刺激する遊びに使います。こちらのプレスクールで目にして、「わあ〜」と感動したもののひとつ。息子のプログラムでは、深緑色の布で揃えていました。目を閉じて、布の種類を当てっこしてもいいし、さわった感じを「ふわふわ」「すべすべ」など擬態語で表現するのも楽しいです。
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- さまざまな色、模様(花、ストライプ、水玉、格子、幾何学などなど)の布をたくさん。いろいろな種類があればあるほど、いいですね。
さまざまな色の布は、「そこには赤い水玉があります」とか、「黄色い花があって、くまさんが笑っています」などと模様を説明する、探しもの遊びに使えます。この布を、上記のうさぎさんの紙フォルダーに挟んで遊ぶのも楽しいですよ。
とにかく、ハンカチやバンダナ、スカーフ、ふろしきなども含めた布は、子どもの大好きな遊びの対象です。うちでは、引き出し2つ分を布用にして、子どもたちがいつでも好きなときに遊べるようにしています。包んだり、たたんだり、結んだり、つなげたり、応用はいろいろ。子どもは、どんどん遊び方を発見します。布遊びは、洋の東西を問わず時代を越えてずっと愛されてきたのでしょう。シンプルなのに子どもを夢中にさせる魅力に、つくづく感心しています。『わたしのワンピース』を読むときには、ぜひ。(asukab)