お星さまがほしい

 ハロウィンが終ると、次は収穫感謝。これによりホリデーシーズンが始まることから、気分はすでにアドベント&クリスマスに向けられる。早い。今年はどんなクリスマス絵本に出会えるかな……と、こちらの方にも楽しみがいっぱい。「星」をテーマに絵本を探して読んだのが、『How to Catch a Star』。クリスマスとはまったく関係のない「星」の絵本だけど、娘が気に入ったようだった。
 あるところに、星の大好きな男の子がいた。夜空にピッカリ光る星を眺めては、自分も1つ欲しいなと願う。星とかくれんぼしたり、海岸をいっしょに歩いたりできたらどんなに楽しいだろう。男の子は星をつかまえようと、いろいろ考える。朝方の星は疲れているからつかまえやすいと思ったけれど、星はどこにも見当たらない。じっと待つと、夕空に星が見えた。でも、どうやってつかまえたらいいのかな……。
 登場人物は、男の子ひとり。星を巡って思い悩む姿は、水彩の優しさが広がる抒情的な背景の中に描かれる。娘は最初のうち、「星は、宇宙にあるんだよ」と何度も言っていたけれど、この絵本は宇宙の事象を扱うのではなく心のあり方を映しているのだと感じると、嬉しそうに男の子の「スターハント」を追い始めた。水彩の透明感が男の子の純真さをそのまま表し、読後は自分も何だか星が1つ欲しいなという気持ちになってくる。何もない空間にひとつだけ描かれる星が、安らぎになるからか。
 強烈に印象が残るタイプの絵本ではないが、娘の心には「星」の存在が深く刻まれたようだ。読後、黄色い画用紙から星を5つ切り抜き、さっそく遊び始めた。空に向かってまき、「これは魔法の杖から飛び散る星」とか何とか言いながら。2、3日の間、紙の星は娘といっしょに遊んでくれた。
 7つのオーケストラが演奏した、本日のシンポジウムは大成功。息子のマフィンは完売だった。オーガニックでオリジナルレシピっていうのが、特別だったと思うよ。演奏を含め、どうもありがとう。お疲れさま。
 ところで、今日あらためて絵本の表紙を見た娘が、「あれー、男の子、もうひとつ星持ってたのー?」と叫んでいた。(asukab)

  • 抽象画風の男の子の姿を含め、絵本全体が心象風景のように見える

How to Catch a Star

How to Catch a Star